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肌荒れは内臓のサイン? 医薬品メーカーが提唱する“肌の本来持つ力”とスキンケアの新常識

2025.11.26
1967年にドイツで誕生した、オーガニックコスメブランド「Dr.ハウシュカ」。日本に上陸して以来、国内でも多くの支持を集め、ナチュラルオーガニックコスメ好きの間で人気を博しているブランドだ。
意外と知られていないのが、このDr.ハウシュカが医薬品メーカーが始めたブランドであること。今回は、なぜ医薬品メーカーがオーガニックコスメを展開することになったのか、Dr.ハウシュカの健康・美容理論、化粧品づくりへのこだわりを深掘りした。

PROFILE

小林 明子(こばやし あきこ)

Dr.ハウシュカ PR

人智学に基づいた医薬品メーカー「WALA社」の誕生

自然とともに健康を目指すWALA社の新社屋
Dr.ハウシュカを手がけているのは、ドイツの医薬品メーカー・WALA(ヴァラ)社である。WALA社は1935年、化学者のルドルフ・ハウシュカ博士が創業した。現在も「人間の健康は自然と共存することにある」という哲学のもと、自然由来原料のみを使用した医薬品を展開し続けている。
ハウシュカ博士はWALA社を立ち上げると、人智学(アントロポゾフィー)に基づいて、ハーブ薬品の製造を始めた。人智学とは、医学、教育、芸術、農業などに応用されている学問である。
あるとき、生命の謎に直面したハウシュカ博士がシュタイナー博士に相談したところ、「生命にはリズムがある。リズムを勉強しなさい」との助言を受けた。これをきっかけに生命や植物のリズムを研究し、独自の「リズム製法」を生み出したのである。
この製法は、「自然や命には両極性がある」という人智学の考えに基づいている。人間の脈(動)と呼吸(静)、季節(暖と寒)、一日(光と闇)といった二元性のリズムを、植物由来成分の製造に応用するものだ。
具体的なプロセスはこうだ。まず、最適なタイミングで手摘みした植物を、汲みたての泉の蒸留水に浸し、静かで暖かい部屋(静・暖・暗)に保管する。次に、日の出と日の入りの時間だけ、太陽の光があたる外(動・寒・明)へ運び出す。これを7日間繰り返したあと、植物を液体から濾し取り、一度燃やして灰にする。そして、その灰を元の液体に戻す(生と死の統合)。
このプロセスを経ることで、合成保存料やアルコールを使わずとも、植物本来の持つ力を安定的に抽出・製造することができ、1年間熟成させることが可能になる。
WALA社は、ドイツ南部エックヴェルデンに、4.5ヘクタール(東京約ドーム1個分)の広大なハーブガーデンを所有している。150種類以上の植物がのびのびと育つこの庭では、害虫も益虫も共生し、生態系のバランスが保たれている。
これを可能にしているのが、シュタイナーが提唱するバイオダイナミック農法である。この農法では、農薬や化学肥料を一切使わない。さらに天体の運行を利用し、種まきや収穫の日時を細かく決めることで、健康な土壌を育んでいる。
このように、素材の栽培から独自の「リズム製法」による成分抽出まで、すべてを総体的(ホリスティック)な視点で貫くWALA社の医薬品は、今もなおヨーロッパを中心に根強く支持を集めている。

肌の健やかさと身体の健康

ハウシュカ博士とエリザベートジークムント
ハウシュカ博士は人間を総体的にとらえており、「肌も身体の一部。肌の健やかさを保つことは身体の健康を保つためにも欠かせない」と考えていた。
実際に、身体の血行が悪ければ、肌の血色が悪くなり、うるおいがすみずみまで行き届かず乾燥したり、ごわついたりする。肌荒れや乾燥、くすみなども、栄養バランスや内臓の状態が表れているサインとも考えられるからだ。肌に丁寧に向き合うことは、健康のためにも意義深いといえる。それまでのWALA社の医薬品開発の知見から、ハウシュカ博士は「スキンケアでも自然の力を活かせるはず」と確信をもっていた。
そんななか、ハウシュカ博士はウイーン生まれの美容家エリザベート・ジークムントと出会う。「健康のためには、自然と調和しながら、肌の本来持つ力や働きを信じてサポートすることが必要である」という2人の考えが一致し、化粧品を開発することとなった。
互いの知恵を出し合い、研究を重ね、バイオダイナミック農法で栽培した植物とリズム製法を用いて、合成や人工の乳化剤を使用せずに安定するクリームや、天然精油を使用した香料を開発した。その後、肌状態に応じて使い分けできるラインナップが増えていった。
1967年のブランドローンチとともに発売以来、世界中の人々から愛されてきた「ローズ デイクリーム」は、現在もロングセラーアイテムとして多くの人にとって欠かせないものになっている。
Dr.ハウシュカの化粧品はWALA社が製造し、全製品において100%天然由来成分を使用、合成・人工原料(香料・着色料・保存料・界面活性剤等)フリーを貫いている。植物エキス抽出時も、合成のアルコールや薬品は使わずに、すべてオーガニック・ナチュラル化粧品の認証であるNATRUE(ネイトゥルー)を取得済みだ。動物実験は行わず、原料の調達においてもフェアトレードを基本とし、一部地域では農業プロジェクトをサポートしている。

「肌本来の力」をサポートするスキンケア

Dr.ハウシュカは、「肌の状態はさまざまな理由により常に変化し、揺らぎやすいものである」ととらえ、自分の肌コンディションをしっかり見つめることをスキンケアの大前提としている。そのときどきの肌状態に合わせて選べる、ラインナップやアイテムが豊富だ。
「肌は本来、自らうるおい、整え、健やかに保つ力を持っている」と、肌本来の力を信じるのがDr.ハウシュカの考え方であり、スキンケア法はいたってシンプルである。朝は肌の汚れを落として洗い整え、日中に必要な保護を助ける。夜は肌を解放し整え、肌本来の美しさを引き出すというものだ。特定の成分を極端に浸透させるようなアイテムや、美容液をいくつも重ねるようなスキンケアは推奨していない。
肌本来の美しさを引き出すために、一番大切なのはクレンジングと洗顔なのだという。正しく洗うプロセスで肌を乾燥させることなく、汚れをきちんと落としていくことにより、肌が自らうるおう力を育て、肌質改善へとつながるからだ。

肌を傷つけない“押し洗い”メソッド

筆者は、オーガニックコスメに精通する人が招待された「Dr.ハウシュカ プレミアムセミナー」に出席し、正しい洗顔方法を学んだ。ここでも、Dr.ハウシュカの「肌の本来持つ力や働きを信じて、サポートする」ことが強調された。洗いすぎ、やりすぎのスキンケアは、肌の本来の力を弱めてしまうのだ。
スキンケアステップでもっとも重要な洗うステップでは、メイクは肌のバリア機能を守りながらオフできる「クレンジングミルク」と、目元のエイジングケアも叶える「ポイントメイクリムーバー」でオフし、しっかりめのメイクには「クレンジングバーム」がすすめられた。実際に使ってみると、洗い流したあと肌にうるおいが残り、慌てて化粧水を塗りたくなるような乾燥感は一切ない。
メイクをオフしたあとは、肌のごわつきや毛穴汚れなどが気になる場合は、界面活性剤フリーの泡立たないペースト状洗顔料「クレンズクリーム」を使用する。クリームを手に取り、水を加えてペースト状にしたあと、肌に広げて両手でやさしく押し付けるようにし、押して離す動きを繰り返す。アーモンドのつぶつぶ感が心地よく、プチプチと少し音を立てながら、丁寧に洗うことができる。
洗い流したあとは、すっきりしつつもうるおいで守られ、何も塗らなくてもよさそうなほどの保湿感が得られる。
洗うステップのあとは、肌状態に合わせた化粧水とクリームで整える。シンプルなケアだが、肌に負担をかけず、自らのうるおす力を生かせているのを感じることができる。さまざまなスキンケアを試しても、思ったようなコンディションに整わないと感じている人は、肌本来の力を信じるDr.ハウシュカのシンプルケアを試してみてほしい。
化学者であるハウシュカ博士が立ち上げたホリスティックな医薬品メーカーWALA社は、スキンケアブランド・Dr.ハウシュカを通して、「人間の健康は自然と共存することにある」ということ、丁寧に肌に向き合うことが健康維持にもつながることを伝え続けている。

Text by 継田 理恵(美容家/ライター)

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