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「化粧水たっぷり」はNG? ドイツの皮膚科学者開発のスキンケア・ハウトシールドが提唱する正しい保湿方法
「化粧水でしっかり水分を補って、クリームで蓋をする」
スキンケア製品のパッケージやメディアでよく目や耳にするこのフレーズ。しかし、ドイツの皮膚科学者が開発したスキンケアブランド・ハウトシールドは、日本で一般的となっているこのスキンケアの常識に疑問を投げかけている。
今回は、ハウトシールドの開発者であり皮膚科学者のマーティン・アルブレヒトさんと、ブランド代表のヤンケ清香さんを取材。正しい保湿の考え方や、同ブランドが特許を取得した皮膚のラメラ構造を模したクリーム処方について、詳しく語ってもらった。
ドイツでは化粧水は使わない? 日本の化粧水神話に警鐘
ハウトシールドには化粧水はなく、洗顔後のまっさらな肌に保湿クリームを塗るというスキンケア方法を提唱されていますが、化粧水を推奨しない理由を教えてください。
ヤンケ日本では、化粧水で水分補給をしてクリームで蒸発を防ぐという考え方が浸透していますよね。
でも、よく考えてみてください。もしそれが正しいとしたら、お風呂に入ったら全身水分で満たされるはずです。
実際は、皮膚はそのようなシンプルな設計ではありません。
皮膚は一番大きな臓器で、外的から体を守るはたらきを担っています。皮脂膜を張って水分も弾くようになっています。子どもの肌を見てみると、シャワーを浴びたとき水を弾きますよね。
もし皮膚が内部に水分やあらゆる成分をぐんぐん浸透させてしまう作りだったとしたら、害のある物質まで取り込むことになります。
肌にはバリア機能がありますが、成分ごとに取捨選択できるような機能はないと考えるのが一般的です。
マーティン化粧水の使用が推奨されるようになった歴史は、毎日石けんで顔を洗うようになった時代にさかのぼります。
健康な肌のpH値は、pH4.5〜6.0の弱酸性なのですが、石けんで洗った肌のpHはアルカリ性に傾きます。
洗顔後に化粧水を使うことで、皮膚のpHを物理的に最適な弱酸性に戻すのに役立つと考えられてきました。
もともと化粧水は、保湿の目的で使われていたのではなく、肌のpH値を正常に戻す目的で推奨されてきたのです。
そもそも化粧水に含まれる水分は、肌バリア内の水分と結合することができずに肌表面から蒸発してしまうため、当社では化粧水に保湿効果はないと考えています。
現在のドイツでは、石けんで肌を洗う人はほとんどいません。
大体の人はぬるま湯、または刺激の少ない弱酸性の洗顔料で肌を洗っています。そうすると洗顔後の肌はアルカリ化しないので、化粧水を使用する理由がないのです。
ヤンケ確かにドイツでは保湿のために化粧水を使う習慣があまり見られず、汚れを落とすために使う拭き取り化粧水が多いように感じます。
ドイツは日本と比べて、毎日しっかりメイクをする人が少なく、洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を必要としない人が多いことが理由にあるかもしれません。
私自身はメイクをする習慣がありますし、日本の多くのお客様にもクレンジングが必要だと考え、ハウトシールドでは弱酸性のクレンジング『ラメラディフェンス クレンジングミルク』を出しています。
洗いすぎないことを大切に、バリア機能を維持できるような洗浄成分を使っています。ミルクタイプのやさしい使い心地のクレンジングです。
ラメラ構造を上からまとう、ハウトシールドが提唱する正しい保湿方法
ハウトシールドの保湿クリームは洗顔後すぐ使うものですが、一般的なオールインワンとまったく違うのは、クリームが肌にもともとある細胞間脂質のラメラ構造に極めて類似した構造になっていることだそうですね。
マーティンはい。肌の角層は角層細胞がレンガのように並んでいる状態ですが、その角層細胞同士をつないでいる接着剤のようなものが、細胞間脂質です。
この細胞間脂質が角層細胞の隙間を埋めることで、外的要因から守りながら肌の水分の蒸発を防いでうるおいを維持することができます。
細胞間脂質はセラミドなどを含む油層と水層がミルフィーユ状になっているのですが、それをラメラ構造といいます。
ハウトシールドが開発したOLT処方は、乳化剤を使わずに肌のラメラ構造を再現し、ドイツと日本で技術特許を取得しました。
ヤンケハウトシールドのクリームは肌にもともとある細胞間脂質と同じ構造なので、まるで肌の上に擬似角質を作るかのようにして、うるおい維持やバリア機能をサポートします。自分の肌に自然と溶け込んでいくような使用感も特徴です。
私たちの体は、約60%が水分でできています。体内にはしっかり水分があるはずなので、うるおいを逃がさないことが大切です。その仕組みであるラメラ構造をまとえるのが、ハウトシールドのクリームの魅力なのです。
有効性を最重視した開発で、肌悩みがある人の救いに
ユーザーにとって、話題のエイジングケア成分のレチノールやナイアシンアミドが入っているのも魅力的かと思います。さまざまなエイジングケア成分があるなかで、ハウトシールドがこれらのエイジングケア成分を選んだ理由をお聞かせください。
マーティン私がもっとも重要視しているのはクリームがもたらす有効性です。
確かにレチノールとナイアシンアミドは、トレンディな美容成分だと言えますが、私がこれらの成分を選択したのは流行っているからではありません。
当然ながら、事前に多くの文献を読んで膨大な調査を行いました。
レチノールもナイアシンアミドも長い歴史のある美容成分で、効果的にも非常に優れたものです。
そのうえで、美容成分が最大の効果を発揮できるように、ほかの成分との組み合わせや比率を研究して処方を考えました。
ヤンケレチノールは不安定で、効果がある状態で肌に届けるのが難しいとされています。
ハウトシールドはマーティンが有効性を吟味したうえで、レチノールに反応しやすい人でも心地よく使える処方にしています。

ハウトシールドは約30年の研究成果から生まれたとお聞きしました。OLT処方のクリーム開発のきっかけをお聞かせください。
マーティン私は大学時代から皮膚科学を研究してきました。家族の日光アレルギーや知人のアトピーなど、身近な人々の肌の悩みがきっかけとなり、医療用軟膏の開発に携わってきました。
OLT処方の開発には60回以上、『EQクリーム』の開発でも15回以上の試行を重ねました。私の目標は理論と有効性の一致。これまでの開発品は、すべてこの目標を達成しています。
ヤンケハウトシールドは、製薬会社に勤めていた夫のつながりでマーティンと出会ったことから始まりました。
当時、環境汚染の多い地域に住んでいた私は肌トラブルに悩んでいましたが、マーティンが作ってくれたクリームで改善。訪れる友人たちからも高い評価を得て、より多くの人の役に立てればと思い、ブランドを立ち上げました。
マーティンは、シャリテ・ベルリン医科大学教授との共著論文や欧州研究皮膚科学会でのパネリスト参加など、欧州の皮膚科学研究を牽引する存在です。その確かな知見と妥協のない開発姿勢に魅力を感じ、商品開発を全面的に任せています。
ドイツと日本で肌質や肌環境に違い、共通点はありますか?
マーティンいくつかの文献によれば、日本人の肌バリア機能は欧米人の肌とほぼ同じだそうです。
乳酸に対して皮膚刺激を感じやすい傾向にあることは認められていますが、肌バリア組成自体に差はありません。
性別や人種に関係なく生物学的に肌の構造は同じですが、肌刺激になる成分は使わないクリームの処方に努めています。
ハウトシールドはアジア人向けに少し違った処方にしていますが、その理由は肌バリアの違いではなく、その地域の気温や湿度を考慮したものです。
ヤンケ美容クリームを展開している日本とは違って、ヨーロッパでもっとも売り上げの高い商品は、医薬部外品のダーマ系列のクリームです。
ヨーロッパではより深刻な肌悩みをもつ方にリピートされていますが、日本では多くの方から「これまでピリピリしないものを探すのにも苦労していたけど、効果もあるからすごい」「敏感肌だけど攻めのエイジングケアができてうれしい!」と、敏感肌の方やエイジングケアを求める方からご愛用いただいています。

ブランドの今後の展望をお聞かせください。
ヤンケハウトシールドは、あらゆる情報やイメージに左右されがちな消費者に対して、科学的に理想的で正しいスキンケアを提案しています。
トレンド発信はしていかないので、次々と新商品が出ることはありません。
今のラインナップはマーティンがたどり着いたゴールであり、ベストの配合だと思っています。ぜひ一度、ハウトシールドをお試しいただき、OLT処方を体感いただきたいです。
マーケティングではなく、皮膚科学から徹底的に有用性を追求したハウトシールド。スキンケア迷子になっている人の最終目的地が、ここにあるかもしれない。
PROFILE

マーティン・アルブレヒト
ハウトシールド商品開発者
ドイツの皮膚科学者
PROFILE

ヤンケ清香
GST Japan株式会社 代表取締役
ハウトシールド 代表
Text by 継田 理恵(美容家/ライター)













