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B.V.D.史上最高の保温性:着た瞬間から温まるインナー「瞬暖グリッドテック」
この時期、各社が力を注いでいるのが秋冬用のインナーだ。
暖冬になってきたとはいえ、冬のアウトドアや野外観戦では、積極的に取り入れたいところ。そこで注目したいのが、男性用のアンダーウエアとして名高い「B.V.D.」から販売されている「瞬暖グリッドテック」だ。
噂では真冬のテントの中ですら、このアイテムがあれば十分だという。それほどの暖かさを感じられる秘密はどこにあるのか。
その秘密を探るために、富士紡ホールディングス株式会社広告宣伝部の近野英樹さんにお話を伺った。
PROFILE
近野 英樹(こんの ひでき)
富士紡ホールディングス株式会社 広告宣伝部
B.V.D.の始まり
B.V.D.はどのようにしてスタートしたブランドでしょうか。
1876年、アメリカのニューヨークで創立したブランドになります。創業者であるブラッドレー(Bradley)、ブーヒーズ(Voorhees)、デイ(Day)の3名の頭文字を取ってブランド名としました。再来年には150周年を迎える、アメリカでも非常に長い歴史のあるアンダーウエアブランドになります。
日本では、いつから取り扱いが始まりましたか。
創業から100年後の1976年に、富士紡績株式会社(現富士紡ホールディングス株式会社)がライセンス契約を結び、日本での企画・生産・販売をスタートさせました。紡績会社ということもあり、日本では数少ない、糸から編立、縫製までを完全自社生産で行っており、こちらも再来年には50周年を迎えます。
日本での市場拡大という狙いがあったのでしょうか。
当時、富士紡績では糸と生地の販売を中心としていましたが、製品事業の展開も考えていました。そういったなかで、B.V.Dとの契約の話があり、ブランドをスタートしました。1960年代から1970年代と言うと、日本ではアメリカ文化が輸入され、いわゆるアメカジブームが到来します。雑誌では『ポパイ』が創刊され、洋服に限らず、家電や自動車などアメリカの生活に憧れを抱く人々が多かった時代でした。
こうした時代背景もあって、B.V.D.は当時の若者にスムーズに受け入れられていきました。いま50代や60代の人にとって、B.V.D.の名前は親しみのあるものだったはずです。
着た瞬間から暖かさを感じる「瞬暖シリーズ」

「瞬暖シリーズ」の誕生について教えてください。
2015年に瞬暖のベースとなる商品を販売し始め、2016年に素材のマイナーチェンジをしました。そこから「瞬暖」というシリーズ名で販売をしています。当時、我々の主な販売先はGMS(General Merchandise Storeの略)という総合スーパーでした。日本では、イトーヨーカドーさんやイオンさんがそれに当たります。
以前でしたら、これが流行りだとテレビや雑誌が取り上げれば、みんながこぞって買っていたのですが、最近はAさんはこれがいい、Bさんはこっちのブランドが好きといったように需要が多様化し、大量生産・大量販売が難しくなってきました。
こうした状況の中でも、弊社としては市場の需要に応える防寒インナーを手掛けてきました。その1つが今回の瞬暖であり、「瞬暖グリッドテック」になります。
瞬暖のコンセプトを教えてください。
世の中にある保温系インナーやあったか系インナーの大半は、着るときにヒヤッとするんですね。それが嫌だという声が多くあり、「着た瞬間からあったかいインナー」というコンセプトで開発をしていました。真冬でも外で遊ばれる方やレジャーを楽しまれる方も増え、そうした多様化したニーズにアプローチするために、「瞬暖グリッドテック」を新たに開発し、「瞬暖」の1.5倍の保温性があるものとして打ち出しました。
グリッド構造とはどういったものなのでしょうか。
生地を見ていただくと、起毛の中に四角形の溝があるのがわかると思います。こちらをグリッド構造と呼んでいます。この溝があることによって、暖かい空気が滞留します。それにより保温性が向上することを公的機関の調査で確認しながら、メーカーさんと共に開発をしていきました。

溝の深さにも秘密が隠されていますか。
溝の部分は起毛があるわけではなく、生地としても薄い部分になります。そのため、溝が多くなるほど保温性は下がってしまいます。それなのに、溝と起毛のバランスが取れれば、全面が起毛の「瞬暖」よりも暖かくなるので、ちょっと不思議な感じはしますよね。そのため、起毛と溝のパターンをいくつも作成して実験を繰り返した結果、いまのかたちになりました。最終的には、保温率約40%という数値を叩き出すことができました。
通常の瞬暖が30%弱で、それでも十分暖かいのですが、溝を作ることで10ポイントほど保温性を向上させることに成功しています。
保温率というのは、どういった指標なのでしょうか。
生地がどの程度の保温性(熱を外気へ逃がさず保つ性能)を持っているかを評価する試験を実施し、得られる値です。保温率は値が高いほど暖まりやすく、値が低いほど暖まりにくいということになります。一般的に20%あれば「暖かい」と言われています。これだけ薄い生地で40%の保温率を持つインナーは、「瞬暖グリッドテック」くらいじゃないでしょうか。
着心地については、どういった工夫をしていますか。
「瞬暖グリッドテック」は起毛もしっかりしているので、肌にくっつく感じはほとんどないと思います。イメージとしては、フリースを直接着る感じですね。ポリウレタンも入っているので、ストレッチ性があって動かしやすさもありますし、弊社独自のパターン設計もあり、着心地がとても良いと好評です。

汗をかいたときの速乾性はいかがでしょうか。
速乾性の機能は備えていませんが、「瞬暖グリッドテック」のおもしろさは、やはり溝にあります。先ほど、保温率の向上のために溝を設けたとお伝えしましたが、この溝があることによって、余分な湿気を放湿することができるようになっています。
放湿性のほかに、着心地のためのストレッチ性、そして冬場の大敵である静電気の帯電防止機能があります。
「瞬暖グリッドテック」はどんなシーンに向いていますか?
「瞬暖」や「瞬暖グリッドテック」は真冬のアウトドアであったり、野外のスポーツ観戦のようにじっとしている場面だったりに向いています。
一方、日常生活でということでしたら、「ヒートエディット」という商品があります。こちらは、保温性に加えて、吸湿発熱や抗菌防臭機能を持たせていますし、非常に薄手で軽い着用感ですので、特に着ぶくれが気になる女性には好評のインナーとなっています。

今後の展望をお聞かせください。
先ほどもお伝えしたように、肌着業界全体が激しい変化の中にあると思っています。かつて下着販売と言えば、どこの街にでもある商店街が基本でした。それがGMSの台頭によって販売経路も大きく変化しましたが、今ではお客様の需要の多様化は日に日に進んでいます。こうした状況のなかで、弊社としては定番商品に力を入れながら、細かな要望にお応えできるような特徴ある商品も作っています。

たとえば、昨年発表した「サムホールハイネック長袖Tシャツ」は、10分袖にサムホールを開けることで、グローブをはめてもズレずに暖かさを保つことができます。また、口元まで隠せるようにタートルネックやひざ下全体が暖かいボトムス等も今年は新たにラインナップしました。
今後は秋冬で瞬暖に用いた技術やコンセプトを、春夏商品にも活かした開発を進めたいと思っています。癖のある商品に見えるかもしれませんが、少しでもそこにニーズがあれば積極的に商品化を目指していきたいと思います。
















