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「肌ラボ 極潤」が20周年:ロート製薬が注力する“ヒアルロン酸研究”の現在地
今やスキンケア成分としておなじみのヒアルロン酸。20年以上も前からヒアルロン酸研究を続けてきたのがロート製薬だ。
2004年に発売された「肌ラボ 極潤」は、長年培ってきた知見を生かし、最新技術も取り入れながらリニューアルを重ね、今ではロングセラー商品となっている。
そこでロート製薬で広報を担当する岩村正子さんに、同社のヒアルロン酸研究や、その知見が商品にどのように生かされているのかなどお話を伺った。
PROFILE

岩村 正子(いわむら まさこ)
ロート製薬株式会社 広報・CSV推進部 広報グループ
体内のあちこちに存在するヒアルロン酸
御社がヒアルロン酸研究を始めたきっかけを教えてください。
ヒアルロン酸は今でこそ肌の保湿成分として知られていますが、実は体のあちこちに存在する成分なんです。弊社は目薬の会社としても知られていますが、目の研究を進める中で、ヒアルロン酸が硝子体に多く含まれており、角膜細胞の自然治癒力を高めるのに有効であること、医療用の有効成分として安全性が高いことなどがわかっていました。そこでヒアルロン酸についての研究が始まったんです。最初は目からスタートしたんですね。スキンケアに応用されるようになったのはなぜでしょうか?
ヒアルロン酸は目の乾燥を防いだり、関節の動きをなめらかにしたりするなど、体に欠かせない成分です。また、体内にあるヒアルロン酸の約50%が皮膚に存在すると言われています。ところが、ヒアルロン酸は20代をピークに加齢とともに生産量が減少します。そこでスキンケアにもヒアルロン酸を活用できないかと2003年頃からスキンケアとしてのヒアルロン酸研究が始まりました。スキンケアにおいて、ヒアルロン酸はどのような役割を果たす成分なのでしょうか?
ヒアルロン酸は1gで6ℓもの水分を保持する保湿成分です。高分子のヒアルロン酸は肌表面に留まって乾燥を防ぎ、低分子に加工したものは肌内部に浸透してモチッとした感触やハリ感を与えてくれます。ただ、まだ解明されていないことも多いのが現状です。肌にいい成分を詰め込みたいという思い

長く愛用されている成分でありながら、知られていないことがあるということですね。そのヒアルロン酸研究から生まれた「肌ラボ 極潤」ですが、誕生の背景を教えてください。
発売当時の2004年は、化粧品メーカーによる小売り販売が主流で、ドラッグストアのセルフ化粧品は今ほど活性化されていませんでした。ブランドの世界観を表現した高価な商品が多く、なかでもヒアルロン酸はプレステージブランドで使われるような高級な成分でした。そこで、当時の商品企画担当者が「肌に良い成分だけを詰め込んだ、手ごろな価格帯の化粧品はできないのか」と疑問に思ったことから、開発がスタートしました。開発者がこだわったのは、とにかくヒアルロン酸をたっぷり配合することでした。しっかり潤う製剤にするため、コストの大半をヒアルロン酸に充てる処方を検討し、進めていきました。そして、使用感を調整していく中でもヒアルロン酸の配合量はなるべく下げないようにしました。
この「一番、肌が潤うものをつくりたい」というこだわりから、肌ラボの「パーフェクトシンプル」というコンセプトが生まれました。
ヒアルロン酸をたっぷり配合しながら、どのように商品化を実現させたのでしょうか?
わかりやすい例では容器です。紙箱に入れず、むき出しの状態で店頭に並べることは、発売当時の常識では考えられませんでした。また、容器を全シリーズで統一することで、生産効率を上げ、パーフェクトシンプルにとことんこだわりました。発売当初は、これまでの化粧品の概念とあまりに異なるため「こんなの売れるの?」と疑問の声もありましたが、発売から20年が経った今、多くの方に支持をいただき、シリーズの国内累計販売本数は4億700万個を突破しました[1]。男女問わず、幅広い年代の方に愛用されています。

「肌ラボ 極潤」のヒアルロン酸へのこだわりを教えてください。
ヒアルロン酸にはさまざまな種類があります。また、同じ種類でも、配合比率や分子量を調整することで、テクスチャーが変わります。そこで肌ラボでは、シリーズやアイテムごとに、以下の8種類のヒアルロン酸を使い分けています。スーパーヒアルロン酸 通常のヒアルロン酸の2倍の保水力を持つ成分
肌吸着型ヒアルロン酸 イオンの力で肌に吸着し、肌に潤いを保持することに特化した成分
ナノ化ヒアルロン酸 分子量を小さくし、肌への浸透性を高めた成分
3Dヒアルロン酸 肌の表面で潤いを抱え込む性質を持つ成分
浸透型ヒアルロン酸 ナノ化ヒアルロン酸よりもさらに小さな分子量で、角質層まで浸透する成分
乳酸発酵ヒアルロン酸 当社独自開発のヒアルロン酸。保水力に加え、細胞同士の接着に関与し、肌内部からの水分蒸発を抑える成分
ヒアロリペア 最新のヒアルロン酸で、水と油の両方の性質を持ち、肌を潤いで満たす成分
2004年の発売以来、ヒアルロン酸の研究は日々進化しています。しかし、新しいヒアルロン酸だから良いというわけではなく、さまざまなヒアルロン酸を配合すればいいというわけでもありません。お客様を常に中身に考え、「使っていただくお客様の肌悩みにアプローチするには、どのヒアルロン酸の組み合わせが適しているか」といった研究を重ね、商品の目的に合ったヒアルロン酸を配合しています。

その他にこだわりはありますか?
「肌ラボ」は、「パーフェクトシンプル」を掲げ、本当に肌に必要なものだけを配合しています。具体的には、無香料・無着色・アルコールフリー・パラペンフリー・オイルフリーを実現しています。また、化粧水の主成分である水の質にもこだわっています。通常、化粧品に使われる水には明確な基準が設けられていないのですが、肌ラボでは医薬品製造と同じグレードの精製水を使用しています。
さらに、テクスチャーにもこだわっています。実は、「肌ラボ 極潤」を肌に塗布している際の脳波や脳血流、心拍数を測定し、極潤が好まれる理由を解析する研究も行いました。その結果、極潤の浸透感とモチッとした触感が高く評価され、使っている最中から心地よさを感じている可能性があることがわかりました。
毎日使い続けるものですので、心地よいテクスチャーには特にこだわっています。
世界中で進むヒアルロン酸研究に期待
今後、ヒアルロン酸研究はどう進展していくとお考えですか?
まず、先ほどもお話ししたように、体内にあるヒアルロン酸が果たす役割については、まだ詳細なメカニズムが解明されておらず、今も世界中で研究されています。スキンケアだけでなく、アイケア、内服、食品、再生医療など、幅広い分野での知見を活かし、これからもヒアルロン酸研究を続けていきます。美容成分としても、分子量の調整や、結合する成分の種類によって性質や浸透性が変わるため、今後新たな魅力が明らかになっていくと思います。まだまだ大きな可能性を秘めた成分だと考えています。
「肌ラボ」の今後の展望を教えてください。
今後もお客様の肌悩みに寄り添いながら商品開発を進めつつ、よりボーダレスでチャレンジングなスキンケアの提案を続けていきたいと思っています。「肌ラボ」は世界20ヶ国以上に展開をしているため、世界標準のスタンダードブランドを目指していきたいですね。寒くなり、乾燥が気になる季節。最新のヒアルロン酸研究の力で、冬でも潤いのある肌を手に入れたい。
《註》
[1]2024年3月末時点
Text by Junko Hayashida














