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美容発想から開発された、ポーラの「ソーラープロテクト キャスケット」による光老化対策とは

2026.06.25

PROFILE

馬場 智(ばば ちえ)

株式会社ポーラ
ブランドクリエイティブ部 サロンサービス開発チーム

化粧品メーカーとして知られるポーラだが、実は40年以上前からアパレル事業も展開している。その知見を生かして開発されたのが、紫外線や近赤外線から肌を守る『ソーラープロテクト』シリーズだ。
「弊社では『生きる、まるごと美しく』をコンセプトに、アパレル以外にも、フードや寝具なども手掛けています。そんななか、2016年に『ソーラープロテクト』シリーズは誕生しました」

紫外線だけじゃない。近赤外線による光老化にも着目

ポーラは2014年、同社の最高峰スキンケアブランド『B.A』シリーズから、紫外線や近赤外線の影響に着目した日中用クリーム『B.A ザ プロテクターS』を発売した(現在は終売)。なお、その研究成果は現在も受け継がれており、近赤外線カット機能を搭載した日中用クリーム・日ヤケ止め『B.A ライト セレクター』として展開されている。
「弊社は長年、近赤外線の肌への影響を研究してきました。その成果を生かし、近赤外線をカットする日焼け止めとして誕生したのが『B.A ザ プロテクターS』でした。その技術や知見は、現在発売している『B.A ライト セレクター』にも引き継がれています」
近赤外線は紫外線よりも波長が長いため、真皮深層から皮下組織、筋肉層付近にまで到達するとされ、コラーゲンやエラスチンを変性させ、しわやたるみの一因になると考えられている。
UVカット率99.8%に加え、近赤外線対策や遮熱機能も備えた「ソーラープロテクト キャスケット(ヒートカット)」9,350円(税込)
「一方社内では、汗をかきやすい首や、頻繁に洗う手、日焼け止めを塗ることが難しい頭皮などは無防備でいいのかという議論になりました。それならばUVAもUVBも、近赤外線もカットする機能を持つ洋服や小物を作ればいいのではないかと開発がスタートし、2016年に『ソーラープロテクト』シリーズの販売がスタートしました」
本シリーズは、毎年トレンドに合わせてデザインやコンセプトを変え、帽子やアームカバーなどの小物からウエアまで、10種類前後がラインナップする。
今季は「ソーラープロテクト」シリーズ全体で通気性にもこだわっている
「近年、各社から毎年のようにUV対策アイテムが発売されていますが、当社では『日常をおしゃれに過ごせる普段着』をキーワードにしています。各社から最新の生地を取り寄せ、UVA、UVB、近赤外線カット率を測定し、素材の選定を行ってアイテムや部位ごとに使い分けながら、トレンドのデザインをお届けしています」

通気性をアップし、蒸れを軽減して頭皮の健康も守る

今季のコンセプトは風通しの良さを強化した『ブリージービューティー』。UVカット効果に加え、通気性、速乾性、遮熱効果を強化したコレクションとなっている。
「暑さの長期化などにより、2024年頃から季節が四季ではなく二季に変わったと言われ始めるようになりました。そこでソーラープロテクトという考え方に加え、オールウェザープロテクトという考え方も取り入れています。不安定な気候、一日の寒暖差、湿度による熱中症への不安などを抱えるお客様が増えている現状を踏まえ、毎年強化ポイントを見直しながら素材を選定し、その年に合ったデザインを構築しています」
額部分に配置したチュール素材がベンチレーションの役割を果たし、帽子内の蒸れを軽減する
今季のヘッドウエアは昨年発売したハット型を一新し、上品な印象のキャスケット型を採用した。UVカット率99.8%を実現するとともに、汗をかきやすい額部分にはベンチレーションとしてチュール素材を取り入れた。デザイン性と機能性を見事に両立させている。
額部分の汗止めテープには抗菌・防臭機能も
「特に頭頂部は身体の中で最も紫外線を受ける部位です。最近の研究では、頭皮が無防備に強い紫外線を浴びると、毛根がダメージを受け、髪を作る力が弱まることもわかってきました。なので、帽子などでUV対策を行うことは、髪と頭皮の美と健康にも大変重要です。
一方で、帽子は紫外線対策としては有効ですが、汗をかいて蒸れた状態を放置することは頭皮にとっては悪影響です。頭皮の健康を保つためにも、UV対策と同時に、通気性を確保することは非常に重要だと考えています」

遮熱や軽量性もこだわり、毎日使いたくなるプロダクトを実現

また天面の裏地には遮熱シートを施すことで、遮熱率は62%を実現した。実証実験では、約3分で約10度の温度差が確認されている。
レフランプを使った遮熱効果の実験では3分後に10度以上の温度差が確認された
「毎日ストレスなくかぶっていただくためには、軽さも重要だと考えています。遮熱シートの分、重量が増しますので、表地は薄くて軽いシャンブレー風の生地を採用することで、約70gという軽さを実現しました」
天面の裏側に遮熱シートが配されている
機能性と軽量性を担保しながらも、アジャスターでのサイズ調整や、額部分に抗菌・防臭機能を付した汗止めテープを施すなど、細部にまで使い勝手の良さが配慮されている。
「私たちは帽子や洋服は肌を守るもの=“肌の一部”と考えています。だからこそ、肌あたりや着心地のよさも重視しています。また、毎日つい手に取りたくなるような気持ち良さを大切にしているため、長く愛用していただけるよう着やすく女性のボディラインを美しく見せるパターンや縫製にもこだわっています」
女性の美しさと健康に配慮した『ソーラープロテクト』シリーズは、リピーターが多く、毎年発売を楽しみにしているファンも少なくないという。だが、今後も商品を拡充する予定はなく、10アイテム前後を維持していくという。
内側のアジャスターでサイズ調整も可能
「着回しできるアイテムも揃えていること、アイテム数を多くするとお客様が選択に迷ってしまうこと、毎年発売を楽しみにご購入いただいているお客様が多く、長くご愛用いただいていること、またSDGs的な観点からロスをなくすことなどを考慮すると、現在のアイテム数で展開を続けるのが適切だと思っています」
暑さが長期化し、今では紫外線や遮熱対策は当たり前となった。ポーラの紫外線対策は、“塗る”から“まとう”へとその領域を広げている。「ソーラープロテクト」シリーズは、美容の知見を衣服へ応用することで、新たなUVケアの可能性を提示している。

Text by Junko Hayashida

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