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【日本未上陸】TOM WOOD(トムウッド)出身デザイナーが手掛けるジュエリーブランド「ジョセフィーヌ ストゥディオ」

2024.11.19
筆者が先日ノルウェーのファッションの祭典「オスロ ランウェイ」に参加した際、最も印象的だったブランドが「ジョセフィーヌ ストゥディオ(Josephine Studio)」であった。
有機的なラインが織りなす柔らかさと強さを兼ね備えたデザインは、ミニマルながらも存在感がある。18金のファインジュエリーと、手の届きやすい価格帯のスターリングシルバーの2ラインを展開し、北欧各国の専門店で取り扱われている。
共同設立者のサラ・ハーランドとカミラ・ジョンセンは、自身のジュエリー同様、飾らず親しみやすく、芯の強い聡明な女性だ。2人は「トムウッド」で出会い、後に「ジョセフィーヌ ストゥディオ」を立ち上げた。
今回は、カミラ・ジョンセンさんにブランドの立ち上げからデザイン、制作過程まで詳しくお話を伺った。

PROFILE

左:カミラ・ジョンセン(Camilla Johnsen)

「ジョセフィーヌ ストゥディオ」共同設立者
BIノルウェービジネススクールで小売りとマネジメントを学び、ファッション業界でキャリアを積んできた。業界知識とビジネスの洞察力を駆使し、ブランドの成長を推進しながら、競争の激しいファッションおよびジュエリーマーケットをナビゲートしている。
(右:サラ・ハーランド)

トムウッドで出会った二人が紡ぐ、歴史とモダンの融合

二人の出会いと、「ジョセフィーヌ ストゥディオ」の立ち上げに至った経緯について教えてください。
ノルウェー発のジュエリーブランド「トムウッド」で働いていたときに出会い、個々の物語や個性を反映するタイムレスなジュエリーを作るという共通のビジョンを見出しました。退職後に再び結びつき、2022年10月に計画を開始、翌月には会社を設立し、2024年春に最初のコレクションをローンチしました。
ジョセフィーヌ ストゥディオは、デザインと品質に妥協せず、私とサラ・ハーランドのバックグラウンドを生かして、美しさと意味を兼ね備えたジュエリーの制作をしています。
「トムウッド」での、最も重要な学びとは? そして、それを「ジョセフィーヌ ストゥディオ」でどのように生かしていますか?
「トムウッド」で過ごした時間は、成功するブランドを築くためには、ハードワーク、大胆な決断、そして競争力を維持するための迅速な行動が必要であることを教えてくれました。
この経験は生産や開発において大きなアドバンテージをもたらしています。
最も重要な教訓のひとつは、失敗の可能性があっても挑戦する勇気を持つことです。大切なのは、アイデアを実行に移し、最後までやり遂げる力を持つことだと思っています。
作品の着想源としてナポレオンの皇后ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネがあると公式サイトにも記載されていますが、具体的にデザインにどのように反映されているのでしょうか?
ストレスやプレッシャー、完璧主義にとらわれがちな業界の中で、遊び心があり、妥協しない生き方を取り入れた作品を作りたいと考えました。
私たちのインスピレーションであるジョセフィーヌは、反骨精神と不屈の姿勢で知られる先駆者でした。彼女は妥協することなく大胆に生き、その恐れを知らない姿勢がジョゼフィーヌを定義しています。
最初のメインコレクション“ローズ”と“ソーン”は、ジョゼフィーヌのバラへの愛情と彼女の大胆な行動にインスパイアされています。ナポレオンが不在の間、彼女は購入したマルメゾン城に250種以上ものバラ園を造りました。
ベストセラーリング “Rose Ring” と“Thorn Ring Triple”は、この遺産を反映しています。バラは愛、美、欲望を象徴し、社会に深く根付いています。その保護的な棘は、人生において不完全さや複雑さが不可欠であることを思い出させ、多様性と回復力を象徴しているのです。
Rose Ring
Thorn Ring Triple

着ける人の個性が映し出される

品質にも強いこだわりをお持ちですね。制作過程についても教えていただけますか?
私たちのジュエリーは、伝統的な工業デザインプロセスに基づき、すべて3Dでデザインされ、ユーザーテスト用に3Dプリントされ、フィードバックに基づいて修正されます。プロセスはアイデアとスケッチから始まります。サラは3Dデザインツールを使用し、作品をあらゆる角度から評価して、平面的な図面では実現できない細部を調整しています。
デジタルバージョンが完成すると、物理的なプロトタイプを3Dプリントして、実際に身につけたときの見た目や感触を確認します。
この段階でフィードバックを集め、デザインを洗練させます。必要に応じてこのプロセスを繰り返します。結果、形状と機能が慎重に考慮された作品が生まれます。
次は実際の制作です。私たちはバンコクの工場と提携し、金細工を行っています。
ジュエリー製作には多くの手作業が伴います。機械が使われることもありますが、すべては手作業で行われます。高品質で堅牢かつ細部にわたるジュエリーを作るためには、完璧さと経験が必要です。
製品は、鋳造、研磨、石留め、仕上げ、コーティングなど、いくつかの工程を経ます。デザインが複雑であるほど、必要な工程も増えます。すべてのデザインには卓越した職人技が込められています。
制作はすべて二人での共同作業、もしくは役割分担でしょうか?
私たちのコラボレーションは非常に流動的で、各段階でお互いが貢献しています。サラはデザインとブランドの方向性をリードし、私は開発と戦略により重点を置いていますが、常に意思決定は2人で行います。アイデアを共有し、デザインが双方の視点を反映するようにしています。
二人にとって"ジュエリー"とは?
ジュエリーは、私たちにとってアクセサリー以上の特別な存在です。自分らしさを表現し、人生の物語を刻み、大切な瞬間を祝福するもの。やがて家宝として、思い出が宿るものになると考えています。
だからこそ、美しさと感動、両方の価値を持つジュエリーづくりを心がけています。そこには着ける人の個性が映し出され、一人ひとりの特別な意味が込められているのです。

北欧と日本、二つの美意識が織りなす新たなジュエリーの形

北欧のデザイナーから「日本と北欧には共通する美的感覚がある」と聞きます。この点についてどう思われますか? また、日本市場についての印象は?
日本とスカンジナビアの文化は、シンプルさ、控えめさ、そして職人技への感謝が共通していると思います。それが私たちをつなげているのかもしれません。
日本の細部へのこだわりと職人技を非常に尊敬しており、私たちのジュエリーのもその精神を反映させるようにしています。たとえば、日本製の組紐を使用しており、その豊かな歴史を愛しています。
大人になってからまだ日本を訪れたことはありませんが、11月下旬に東京を訪れる予定で、街中を探索しながら小売業界のリサーチを行います。日本の豊かな歴史、文化、食を体験し、そして人々との交流に非常にワクワクしています。
そしてもちろん、私たちのジュエリーが日本の方々にどのように受け入れられるのかを見るのも楽しみです!
最後に、今後のビジョンについても教えてください。
「ジョセフィーヌ ストゥディオ」の将来について、まだ明確な道筋は決めていません。
ただ確かなのは、私たちが愛するものづくりを続けていきたいということ。そして、成長に伴う収益を大胆な新プロジェクトへ再投資し、さらなる可能性を追求していきたいと考えています。

Text by ELIE INOUE

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