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中綿に人工羽毛プリマロフトを採用した「カリマー」のジャケットが人気の理由

2024.10.26
ダウンのジャケットは軽くて暖かいのが長所だが、水にぬれると長所がほぼ失われる。そこが難点で、この難点を解決する工夫のひとつに「ダウンのように軽くて暖かく、水濡れに強い中綿」の採用がある。条件を満たす化学繊維の中綿(化繊綿)を採用したジャケットはいまや、防寒着としてダウンと双璧をなす人気を誇っている。
 
とくに有名な化繊綿にプリマロフトがある。アウトドアの名門「カリマー(karrimor)」がプリマロフトを中綿に採用した「インシュレイションLTフーディ(insulation LT hoodie)」は昨シーズン大好評で、今シーズンは新色も登場したという。そこでカリマーインターナショナル株式会社を訪ね、商品部の狩野ゆかりさんに話を聞いた。
インシュレイションLTフーディ 36,300円(税込) カラーは写真のK.Orange(新色)の他、L.Grey、Blackの3タイプ サイズはS、M、L、XLの4タイプ

ぬれても保温性が確保できる、ダウンにはないメリットが化繊綿の強み

 そもそも「インシュレイションLTフーディ」に採用されている中綿のプリマロフトは、アメリカ国軍の要請を受けてALBANY社が開発した防寒着用の人工羽毛として早くから知られ、暖かく、水に強く、柔らかい性質を生かして、今日では多くの冬物衣料や寝具などに取り入れられている。
 
「より軽量で、かさ高のある中綿素材の研究開発が進んでおり、この『インシュレイションLTフーディ』にはグレードとコストパフォーマンスの両面から実用性の高いプリマロフトシルバーを採用しています。一般にダウンは水に濡れてしまうと、かさを保つことができずに保温性が大きく下がり、乾きにくいので防寒着として十分な性能を発揮できなくなりますが、プリマロフトは撥水性が高いため、ぬれても保温性が保たれます。
 
衣服の保温性の目安となる数値、clo値(クロー値)がプリマロフトシルバーはより高いのが特長です。1cloは、気温21℃、相対湿度50%、気流毎秒0.1mの室内で、イスに座った安静状態の成人男子が快適と感じる平均皮膚温33℃を保つのに必要な熱絶縁力(熱抵抗)ですが、『インシュレイションLTフーディ』に採用されたプリマロフトシルバー80gのclo値は1.9です。水にぬれても、clo値が1.73に保たれます」
 
ぬれたダウンを着たことがあるが、体温維持など望むべくもない。それに比べると、なじみの薄いclo値の比較でもプリマロフトシルバーの保温性・撥水性の高さが推し量られる。ちなみにプリマロフトブラックというグレードの場合、同条件で通常時のclo値が1.8で、水にぬれると1.3に下がる。ダウンはぬれたら1以下だろう。
「インシュレイションLTフーディ」は中綿だけでなく表地にも撥水性があるから心強い

アウターとしても中間着としても活用できる、動きやすいアイテム

 「わたしはスノーボードが趣味なのですが、保温性と撥水性が高い『インシュレーションLTフーディ』はゲレンデで好天の日はアウターとして着ますし、極寒の日や吹雪いている日はソフトシェルやハードシェルを上に重ねて『インシュレーションLTフーディ』を中間着として活用します。ストレッチ性があり、動きやすいデザインなので、行動時の着用に適しています」
ソフトシェルの上に「インシュレイションLTフーディ」を重ね、アウターとして着用した例。状況によってはソフトシェルで身軽に行動し、休憩時にアウターとして着ることで体温維持を図ることも。街着としては、よほど冷え込む日でなければ単独でアウターに
風雨や降雪が激しいとき、行動中も寒さを感じるときなど、厳しい環境では中間着として 「インシュレイションLTフーディ」を活用。アウターもソフトシェルやハードシェルなど を状況に応じて使い分けられる
このように幅広く応用できることも、「インシュレイションLTフーディ」の人気が高い理由だろう。常に持ち歩いて、こまめに脱ぎ着するのに最適なアイテムといえる。晩秋初冬の街着には単独でアウターに、ウインタースポーツや冬の山歩きにはシェルとの組み合わせで臨機応変にアウターや中間着としてフル活用したい。
「左胸の内ポケットに全体が収まるパッカブル仕様です。気温の上下が激しいときなども、畳んでバッグに入れておけば荷物がコンパクトにまとまって、寒くなったらすぐに広げて着られるので便利です。アウトドアはもちろん、旅行のときなどもバッグに忍ばせて出かけていただくのがおすすめです」

水ぬれに強い防寒具として夏の登山にも携行すれば、年間を通じて役に立つ

 たとえば毎年人気の富士登山の場合、防寒具としてダウンは必携といえるが、水ぬれに弱いのが気になる点だ。かなりの確率で雨が降るので、水にぬれても保温性が維持できるプリマロフトシルバーを採用した「インシュレイションLTフーディ」を畳んで携行することが賢い選択といえるだろう。
 
富士山に限らず、夏の登山やキャンプには防寒具が必携だ。秋冬はもちろん日々の防寒着として役立て、春夏はいざというときの備えとしてパッカブルの利点を生かして携行するなら、これはオールシーズン活用できるリーズナブルな逸品になる。
パッカブルとして使用する左胸の内ポケットは、ゆったりしているので着用時にグローブなどを一時的にまとめて仕舞うのに便利。ゴーグルも入れておける
ダブルジッパーなので上からも下からもジッパーをオープンにできる
「アウトドアで着用するときはとくに、ジッパーを上から大きく開けるとバタつきが気になることがありますね。ウエア内の換気をしたいとき、上からある程度オープンしておいて、下からもジッパーを開くとバタつきを抑えながらウエア内を快適な状態にできます」
 
「カリマー」製品に多い仕様だが、外側の両サイドのポケットはバックパックのハーネス類が干渉しないように位置を調整してある。フードや裾などのフィット感を高める工夫も、アウトドアのブランドならでは。いわば痒いところに手が届く仕様になっており、人気商品というのも大いに頷ける。今シーズンのアウター選びの候補にしてはいかがだろう?
 

PROFILE

狩野 ゆかり(かのう ゆかり)

カリマーインターナショナル株式会社
商品部プロダクトチーム
2022年に入社しアパレル商品を担当。キャンプや自然の中での遊びが好きで入社し、長くスポーツウエアの企画をしてきた経験をアウトドアのアイテムにも生かすべく、日々勉強中。

Text by Naoki Sakata

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