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釣りのアイディアと機能性を日常に: ダイワ ライフスタイルの コンビアップシステムの真価を探る
強風や水しぶき、キャスティング時の激しい動き、急激な気温変化──「釣り」という過酷な環境で培われたスペックは、ウエアをどのように進化させるのか? DAIWA LIFESTYLE(ダイワ ライフスタイル)の「COMBI UP SYSTEM(コンビアップシステム)」は、その問いに対する明確な回答を示す。
シェルジャケットとベストを専用ファスナーで一体化させるという、フィッシングアパレルの知恵が息づくこのアウター誕生の経緯と真価を、開発に携わったグローブライド株式会社の中津正臣さんに聞いた。
PROFILE
中津正臣(なかつ まさおみ)
グローブライド株式会社
フィッシング営業本部 アパレルマーケティング部
釣り具のトップメーカーが手がけるマルチフィールドライン
ダイワ ライフスタイルは、日本を代表する釣り具メーカー、ダイワが釣りで培ってきたテクノロジーと知見を駆使し、フィッシングウエアを起点に日常生活のためのウエアとして再構築するプロジェクトだ。「コンセプトはDeliver Weather-Ready Wear for better 24/7(24時間いつでも、どんな天候下でもよりよく過ごせるウエア)。フィッシングアパレルで確立した機能性をベースに、アウトドアシーンにも対応できる実用性を都市生活にマッチするデザインに落とし込んだウエアを展開しています」

フィッシングアパレルの定番であるコンビアップシステムに注目
そのコンセプトを体現するウエアとして開発されたのが、「コンビアップシステム」が搭載された「PERTEX COMBI UP SHELL JACKET(パーテックス コンビアップ シェルジャケット)」と「COMBI UP VEST(コンビアップ べスト)」である。「シェルジャケットとフローティングベストを組み合わせるコンビアップシステム自体は、フィッシングアパレルでは長年にわたって採用されてきたものです。釣行時の動きやすさや安全性の向上を高める優れた構造ですが、釣り以外の分野ではほとんど知られていませんでした。このシステムをライフスタイルウエアに導入するとどんなウエアができるか? この問いが開発の出発点でした」
専用ファスナーによってジャケットとベストを一体化
コンビアップシステムの特徴は、シェルジャケットとベストをファスナーによって連結できる点にある。「ジャケットのフロントファスナーの両サイドに設けられた連結用ファスナーでベストを固定することで、従来のように単に重ねて着用する場合に生じていたズレや干渉を大幅に軽減できます」

では、このシステムは、ライフスタイルウエアにどのような利点をもたらすのか?
「最大のメリットは、レイヤリングの安定性を構造的に担保できる点にあります。ジャケットとベストをファスナーで一体化させることで、着用中のズレや偏りを抑え、動作時のストレスを軽減することが可能です。
また、ジャケットとベストに設けられたポケットを活用すれば、バッグを持たずに行動することができます。特に雨天など、両手を自由に使いたい状況で利便性を発揮します」

高機能ナイロンと独自のパターンが生み出す動きやすさ
このシステムの機能性を支えているのが、ジャケットに採用されたシェル素材だ。本作には40デニールのリサイクルナイロンが使用されたPERTEX® SHIELD PRO(パーテックス シールドプロ)のミニリップストップが採用されている。
「2.5層構造とすることで、都市生活とアウトドアシーンのいずれにも対応できる軽量性と強度を両立しました。耐水圧30,000mm、透湿性13,000g/m2という防水透湿性能を備え、雨や湿気といった外的環境から体を保護しながら、衣服内の蒸れを効率的に排出します」
なお、シェルの表面にはセミダル糸を使用することで、光沢が抑えられたマットな質感に仕上げられている。
「都市生活になじみやすいだけでなく、汚れが目立ちにくいという実用面でのメリットもあります」

実際に着用してみると、軽さはもちろん、腕や肩をなめらかに動かせる点も印象的だ。これはダイワ独自の「マスターパターン」によるものだという。
「釣りにおけるキャスティング動作、つまり腕を振り上げ、前方へ振り下ろす一連の動きを妨げないよう設計されたパターン設計です。一般的なジャケットでは、腕を上げた際に背中や肩の生地が引っ張られ、突っ張りや裾のずり上がりが生じることがあります。そこでこのモデルにもマスターパターンを採用し、肩周りを中心に可動域を確保し、腕の動きに追従するよう立体的に構成しています」
軽量性と視界の確保を両立させたベストの設計
ベストの設計にも釣り由来の工夫が凝らされている。「ベストの厚みを体の正面から両サイドへと分散させることで、足元の視界を確保しました。これは足場が不安定になる磯場での行動を想定したものです」
また、一般的なフィッシング用のフローティングベストは浮力体を備えた重厚なデザインが主流だが、本作には、通気性の高いメッシュ素材と撥水性のある高密度ナイロンツイルが採用され、軽量で機動性の高い仕様に仕上がっている。

ダイワの技術的遺産を受け継ぐフラッグシップモデル
コンビアップシステムが搭載されたこのアウターのユーザーは、機能面だけでなく、ファッション面でのメリットも享受できるだろう。「シェルジャケットとベストを組み合わせ、もしくはそれぞれ単体で使うことで幅広いシーンに対応でき、同時にスタイリングの幅も広がります」
釣りという過酷な環境で培われたコンビアップシステムは、レイヤリングの安定性を構造的に担保することで、都市生活においても新たな機能性を発揮する。その真価は、異なるウエアを一体化させることで生まれる、動きやすさと携行性の両立にある。
Text by Ryota Osujo






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