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ユニクロ初の“遮熱日傘”は猛暑の救世主となるか? 有明人工気象室でその実力を検証
エアリズムやヒートテック、ウルトラライトダウン──季節に合わせた数々の高機能ウエアを展開し、その多くがロングセラー商品となっているユニクロ。
この夏新たにリリースされたのが、遮熱機能付きの日傘「UVカットコンパクトアンブレラ遮熱」だ。
これまでUVカットアイテムで定評のあった同社が、直射日光による暑さの軽減に挑戦した本商品。そのテクノロジーと効果を探りに、開発を支えた「人工気象室」を訪れ、ユニクロのPR担当者に話を聞いた。
「服の基礎研究所」を設立した背景
東京・有明にあるユニクロ本部の一角に、2019年に誕生した「服の基礎研究所」。そのなかで「人工気象室」は、高機能商品を支える要となっている。
「ユニクロでは、日常に根差した服『LifeWear(ライフウェア)』というコンセプトを掲げています。
どうしたらお客様の日常を助け、役に立てるのかを突き詰めていくなかで、たどり着いたのが機能性ウエアでした。
おかげさまでお客様から好評をいただいていますが、さらにその精度を高めるためには、科学的根拠のあるものづくりが必要だと考え、服の基礎研究所を開設しました」
人工気象室は2部屋構成で、気温はマイナス15〜35℃、湿度は0〜95%まで調節可能。天井には紫外線ランプと赤外線ランプを備え、夏の日差しも再現できるようになっている。

この日はイベント用に制作されたという紫外線に反応するマネキンも展示。紫外線ライトを当てると、UVカット商品で覆われた部分のみ、紫外線による変色が防がれていることがわかる。

また一室にはウォーキングマシンが設置され、運動時の発汗や生地の通気性の変化なども測定することができるという。
人工気象室の存在がクイックな改良を実現
定番のアイテムを数多く取り揃えるユニクロだが、実は高機能ウエアを年々アップグレードしているという。
「どれだけの人気商品であっても、100点満点ということはありません。『ここがもう少しこうだったら』というお声は必ずありますし、そういった声こそが、より良い商品づくりのヒントになると考えています」
実際ユニクロでは、自社サイトの口コミやSNSをチェックする専門部署を設置し、製品の改善点などを探っている。
たとえば、スカートで「静電気が起きやすい」という声があれば、人工気象室で冬場の気候を再現し、何が原因で静電気が起きてしまうのかを検証。その結果をもとに改良を重ねていく。
「テストした結果、思ったような結果が出ないことは日常茶飯事です。ときには100回以上試作を繰り返すこともあります」
その繰り返しこそが、ユニクロの定番アイテムの進化を支えている。また、UVカット率など、自社設備で対応できない検査については、外部の第三者機関とも連携しながら対応している。
夏の暑さに挑んだユニクロ初の遮熱機能アイテム
この人工気象室も活用し、新たに発売されたのが「UVカットコンパクトアンブレラ遮熱」だ。
ユニクロではこれまでもUVカット日傘を展開していたが、今回の「遮熱」機能は同社にとって初の取り組みとなった。
「ここ数年、気温の上昇や猛暑の長期化などが問題となるなかで、単なる紫外線カットだけではなく、遮熱ニーズも高まっていると感じていました。そこで日傘に遮熱機能を取り入れてみようという判断になりました」
人工気象室で気温30℃、湿度60%の環境を再現してもらうと、効果の違いは明らかだった。
赤外線ランプの下に立つと、まるで真夏の炎天下にいるような熱気が体を包み込む。しかし、遮熱日傘をさした瞬間、顔まわりにふっと涼しさが生まれたのだ。
実際にサーモグラフィーでも、頭部の温度が下がっていることが確認できた。

この遮熱性能を実現したのは、東レとの共同開発で生まれた多層構造の特殊素材である。ベースとなったのは東レの独自素材「サマーシールド」だ。
「サマーシールドは非常に優れた素材ですが、ユニクロとしては価格とのバランスが大きな課題でした。お客様がお求めやすい価格で、いかに遮熱効果を確保するか。その点を東レさんと擦り合わせながら、オリジナルの素材を新たに開発しました」
新素材は多層構造になっており、表面で熱や紫外線を反射し、反射しきれなかった熱は内側の素材が吸収する。
実際に人工気象室内で傘の内側を触ると、生地自体がかなり熱を持っているにも関わらず、頭部にはその熱が伝わってこないという実感があった。

夏の日差しからゲリラ豪雨まで対応
データでもその性能は実証されている。遮熱の基準であるS-35(熱を35%以上45%未満カット)を上回るS-45(熱を45%以上55%未満カット)、紫外線カット率はUPF50+(UVを99%カット)の水準を誇る。
さらに耐水圧1万mmとなっており、夏の日差しからゲリラ豪雨まで、これ一本で対応できるスペックになっている。

「ここ数年、男性でも日傘をさす方が増えてきました。
ただ、女性に比べるとまだまだ少数派です。そのため今回は『男性のファースト日傘』としても使いやすいように、親骨のサイズを55cmとやや大きめに設計しています」

今後はさらなるラインナップも検討しているという。
「今回の反応を受けて、軽量化やカラーバリエーションの拡充も視野に入れています。遮熱という機能は、これからの夏の暮らしにさらに役立てられる可能性があると私たちは考えています」
年々暑さが増す日本の夏において、「どう涼しく過ごすか」は重要な課題である。たった一本で体感温度を変えてくれるユニクロの日傘は、その解決策のひとつになるはずだ。
Text by Junko Hayashida
















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