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これ以上の夏向けスーツはできない!ワークマン「カルキュロ使用 サマースーツジャケット・パンツ」の実力

2025.04.01
ビジネスファッションのカジュアル化が進んだとはいえ、夏場でもスーツを着なくてはならないケースは今も少なくない。アパレル各社は、最新素材を用いた夏向けのスーツを毎シーズンのように提案している。
高機能のワークウエアを得意とするワークマンが、「夏でも快適に着用可能なスーツ」として2025年春夏に満を持して新発売するのが、「カルキュロ使用 サマースーツジャケット・パンツ」だ。一体、どういった点が「夏でも快適」と言えるのか。「カルキュロ使用 サマースーツジャケット・パンツ」の開発を担当した、株式会社ワークマン製品開発第1部チーフバイヤーの川田真之輔さんに、ワークマン公式アンバサダーである山田耕史が、話を伺った。
(※当記事では便宜上「スーツ」と表現していますが、今回ピックアップしたワークマンの各製品は、ジャケットとパンツは別売りで、セットアップとして着用できるようになっています)

大ヒットを連発したワークマンのスーツ

山田耕史(以下、山田)ワークマンで初めてスーツが発売されたのは2021年。僕との共同開発製品である「SOLOTEX リバーシブルワークスーツジャケット・2WAYワークスーツパンツ」です。ちょうどワークマンの注目度が急速に拡大していた頃の登場だったので、メディアにも数多く取り上げられました。
ワークマン「SOLOTEX リバーシブルワークスーツジャケット」2021年春夏モデル
川田真之輔(以下、川田)それまで作業服しか扱っていなかったワークマンが、どうしたら客層を拡大できるだろう、という課題から生まれた製品です。現場で作業をする人だけでなく、ビジネススーツを着る人も同じワーカーじゃないか、ということでスーツ企画がスタートしました。
山田売れ行きはいかがでしたか?
川田大ヒットでした。現場には職人だけでなく、営業職などのスーツを着なければならない方も多数おられます。そんな方にとって、お手頃な価格で、撥水加工が施されているので泥はねなどが付きにくく、付いたとしても気軽に洗えるという製品は大変ご好評をいただきました。ソロテックス素材を用いたスーツは、年中着用可能な通年アイテムとして、現在も販売中です。
山田同年には、夏向けの製品として「DotAir リバーシブル ワークスーツジャケット・2WAY ワークスーツパンツ」も発売されました。
ワークマン「DotAir リバーシブル ワークスーツジャケット・2WAY ワークスーツパンツ」2021年春夏モデル
川田生地に無数の小さい穴が空いており、通気性が非常に高かったので、こちらもかなり売れました。ですが、中に着るシャツが透けてしまうというデメリットもありました。
その欠点を補うために開発したのが、「SOLOTEX 2WAYシアサッカースーツジャケット・パンツ」です。こちらも、ベタッとならない点タッチの生地が生み出すさらさら感が大人気でしたね。 
ワークマン「SOLOTEX 2WAYシアサッカースーツジャケット」2023年春夏モデル
川田そして2025年春夏から、このシアサッカーに代わって新たに春夏向けスーツとして打ち出すのが「カルキュロ使用 サマースーツジャケット・パンツ」です。シアサッカーは非常に売れ行きが良かったので、かなり思い切った挑戦です。
ワークマン「カルキュロ使用 サマースーツジャケット・パンツ」(2,900円(税込)・1,900円(税込))
山田カルキュロとは聞き馴染みのない言葉ですが、素材の名前なんですね。
ワークマン「カルキュロ使用 サマースーツジャケット」(2,900円(税込))
川田帝人フロンティアが開発した、吸汗速乾性に優れた高機能繊維です。こちらは帝人フロンティアのサイトに掲載されているカルキュロの糸の断面なんですが、このようにガタガタでランダムになっているので、光が入りづらい。
つまり遮熱性を備えているうえに、軽量で肌触りもドライなので、夏用のスーツにぴったりの素材なんです。
山田(ジャケットを持ってみて)確かに非常に軽いですね。しかも、肌触りがざらっとしていて、汗をかいても肌離れが良さそうです。
川田元々はスポーツ用に開発された素材だそうです。スーツの生地として使用するのはワークマンが初だと聞いています。
山田2021年に発売された「SOLOTEX リバーシブルワークスーツジャケット・2WAYワークスーツパンツ」には、リバーシブル仕様などのワークマンらしい機能ディテールが満載されていました。
川田そういった機能の多くはお客様の声や社員の意見を参考に取捨選択し、最近の製品の仕様はかなりシンプルになっています。そのなかで今も継続しているのが、腕まくりがしやすくなるように設けている袖口のスナップボタンです。個人的には、このボタンを留めていると腕時計が見やすいので重宝しています。
川田手軽にコンパクトに収納できる、くるくるストラップも継続しています。
川田リバーシブルなどの仕様を省いて浮いたコストは、新たに裏地にメッシュ素材を用いるなどに使っています。
川田「カルキュロ使用 サマースーツパンツ」も、これまでの製品で得た経験を生かし、必要なディテールを厳選しています。特にご好評をいただいているのが、パンツのドローストリングの部分です。紐を使うときは外側に出して縛り、使わないときは内側にしまっておけるようになっています。
川田タックインしたシャツがずり上がらないようにしたシリコン素材のストッパーや、フィット感を高める後面のウエストゴムなど、パンツ単体でも非常に完成度の高い製品に仕上がっていると思います。
川田ジャケットと同じく、くるくるストラップとパンツの裾のスナップボタンも採用しています。
川田スナップボタンは、現場での裾の汚れが防げるのでうれしいという声をたくさんいただいています。
山田スーツを製作するうえで特別な苦労などはあったりするのでしょうか?
川田パンツは他のワークウエアと同じ工場でつくっていますが、ジャケットはやはりスーツを得意とする工場でないと縫えません。特に、このアームホール(袖の付け根)の裏側に付いているパイピングは、一般的なワークウエアの工場ではちょっと処理が難しいですね。
専門の工場なので工賃も上がってしまいますが、大量発注をすることで、2,900円という価格を実現しています。

これ以上の夏向けスーツはできない!

川田僕はとても暑がりなので、夏場は普通のスーツは暑くて着ていられないんです。ですので、このような夏向けのスーツをもっとも必要としているのは、僕なんです(笑)。
山田開発担当者自身がターゲットということなんですね(笑)。製品づくりに熱が入るのも頷けます。
川田ですので、早く夏が来てほしいですね。「カルキュロ使用 サマースーツジャケット・パンツ」を夏に実際に着て、どれくらい涼しいかを試してみたいんです。このセットアップは、これ以上の夏向けのスーツはできない、と言えるくらいの製品に仕上がったと自負しています。
ですが、これまでの他の製品もそうでしたが、実際に自分が着用してみると、何かしらの改善点は見つかると思うんです。そうやって見つけた改善点を、次の年の企画に反映させていく、というのが僕の開発のスタイルです。
山田製品開発に終わりはないですね(笑)。これからも期待しています。

PROFILE

川田 真之輔(かわた しんのすけ)

株式会社ワークマン製品開発第1部 チーフバイヤー(ワーク&アウトドア)

PROFILE

山田 耕史(やまだ こうじ)

ファッションアナリスト/ワークマン公式アンバサダー
「山田耕史のファッションブログ」を中心にフリーランスとして活動。著書に『結局、男の服は普通がいい 世界一かんたん、一生使えるオシャレの方程式』(KADOKAWA)

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