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圧倒的なキープ力:50年愛され続ける花王「ケープ」の軌跡

2025.03.29
『ケープでキープ』
平成時代に、誰もが一度はこのキャッチコピーを耳にしたことがあるだろう。花王のロングセラー商品として人気を誇る「ケープ」は、長年にわたり、私たちのヘアスタイルを支えてきた。
来年で50周年を迎えるケープは、昭和から平成、令和の現在までどのような道のりを歩んできたのだろうか。今回は花王株式会社のケープ事業部の赤木さん、商品事業開発センターの藤井さんにお話を伺った。

1976年の発売以来、ロングセラーブランドとして君臨するケープ

現在も特に女子高生の前髪のセットに欠かせないケープは、スクールバッグの中に入っている必須アイテムと言っても過言ではないだろう。
1976年に誕生したケープは、私たちが物心ついたときから身近な美容アイテムとして存在した。来年で50周年を迎えるケープは、どのような経緯で発売に至ったのだろうか。
1976年に発売したケープ
「ケープはヘアスタイルをキープすることで、一日の過ごし方の満足度や、お客様の自信をサポートするブランドとして誕生しました。
70年代は、パーマやカールで立体的に仕上げたヘアセットをキープすることへのニーズが高まっている頃でした。
その頃からヘアスプレーはありましたが、原料の匂いの強さ、ゴワつき、長持ちがしないというお客様のお悩みがあったので、この3つのポイントを解決できるような商品を開発したのが、ケープ誕生の経緯になります」と赤木さんは語る。
ケープが古くからユーザーに愛される理由のひとつに「高いキープ力」があるのはもちろんだが、魅力はそれだけではない。
通常は、キープ力を高めようとすると、どうしても髪の感触が悪くなったり、洗い落としにくくなったりという弊害が生まれるが、ケープは、高いキープ力と良好な感触、洗い落としやすさの両立を図れる独自ポリマーの開発を行ってきた。
藤井さんは技術面からこう説明する。
「ケープの長い歴史からも、『ケープの開発=ポリマーの開発』と言い換えることができるくらい、弊社は様々なポリマーの開発にこだわってきました。
その中で、製品によって最適なポリマーを採用することで、キープ力はもちろん、香りや手触りに至るまで、製品ごとにご満足をしていただくことができ、お悩みを解消できるのが特徴です。
だからこそ、お客様のニーズに沿ったロングセラーの製品提案ができていると考えております」

ヘアスタイルの変化ともに進化する「キープ力」

90年代前半のトサカ前髪、90年代半ばのシャギーヘア、2000年代のレイヤー、盛り髪、2010年代の重ため前髪と、ヘアスタイルも多様に変化してきた。それに伴い、ケープもユーザーが求めるスタイリング剤を都度開発してきた。
1993年に発売されたケープ
「70年代はパーマやカールで仕上げたヘアセットのキープ、80年代はパーマやカールで仕上げたヘアセットをキープすることや、髪が広がらないことが求められていました」と赤木さん。
「90年代には、トサカ前髪の流行で、しっかり固めるスーパーハードのニーズが高まります。シャギーヘアが流行したときは、前髪ではなくシャギー部分への使用など、ケープの使い方も多様化していきました。それに伴い、ポリマーの種類を変えながら時代に合わせたシリーズの商品を販売してきましたね」
初めての「ケープ」として、定番のピンクのスプレーを見たことがある人は多いだろう。お母さんの化粧台、お姉ちゃんの部屋などで出会ったケープが、初めてのスタイリング剤になる人も少なくない。
1993年に発売されたケープ
ピンクのソフトタイプを始めとして、他にもナチュラル&キープタイプのグリーンやスーパーハードタイプのブルー、3Dエクストラキープタイプのパープルなど、ケープのシリーズは多岐にわたる。
現在でも、女子高校生を中心に大人気のケープシリーズだが、令和ではケープ史上最強のキープ力[1]を誇る「FOR ACTIVE(フォーアクティブ)」が人気を博している。
FOR ACTIVE
黒いパッケージが印象的なフォーアクティブは、アイドルの前髪のようにキープしてくれることから、今では10代に流行の「アイドル前髪」が作れる商品として、女子高生の必須アイテムとなった。
「やはりフォーアクティブが若年層に非常に人気ですね。SNSで話題になってから、フォーアクティブはアイドルのような前髪を作れる商品として認知度が高まってきました。
最近では、スプレーが苦手な方にも使っていただけるように、マスカラタイプのものが2023年から発売されています。前髪に使いやすいように、ブラシの設計やジェルにもこだわった商品になります」(赤木さん)
また、ケープ初のまつ毛用の下地も話題を呼んだ。ケープ初のコスメ用品は、「ケープのキープ力でまつ毛もキープしたい!」という、多くの要望を具現化した商品だ。
ケープ FOR ACTIVE カールロックマスカラ下地
そして、数量限定で発売する「ニュアンスキープリキッド」は、自然なおくれ毛やニュアンスを作るのに指で塗ることができるリキッドタイプで、細やかな調整が可能になった。
「今までは、おくれ毛など細かい箇所のヘアアレンジも、スプレータイプの商品で対応していたと思うのですが、さまざまなアレンジがしやすいようにチューブタイプにしました。スプレーのように噴射で広がらないので、指につけて、ちょっとしたお直しにも対応できます」(藤井さん)

ユーザーの声とともに進化するプロダクトとケープの未来

大人気のフォーアクティブはビッグサイズからミニサイズまでさまざまな種類がある。特にビッグサイズは300gとケープシリーズの中でも最大容量を誇る。
藤井さんは細部へのこだわりをこう語ってくれた。
「ビッグサイズ(300g)と180gは、容器が太いため、使いやすいように持ち手の部分に少しへこみがあります。また、また、噴射の広がり方も商品ごとに変え、それぞれの性能をより発揮しやすい仕様になっています。
さらに、ボタン部分にもこだわりがあり、2019年からは大きいサイズにおいては小さい力でも簡単に押すことができる、てこ式ボタンを採用[2]するなど、お客様が使いやすい商品ということを常に考えています」
単品で使用していると気づきにくいこうした細やかな配慮に、取材中、筆者は何度も驚かされた。ロングセラーの背景には、圧倒的なキープ力とともに、ユーザーへの心遣いがあるのがケープの魅力だ。
令和でも多岐にわたって活躍するケープの未来について、赤木さんはこう語る。
「ケープは、ヘアスタイルをキープすることによって、皆様の一日の満足度をサポートするブランドです。今後もケープが皆様の日常にお役立ちできるように、模索をしながら企画や商品の展開をしていきたいと思っております。
来年で50周年を迎え、長年多くの方に愛用されていることを本当にうれしく思いますね」
昭和から平成、令和と、世代を超えてケープが愛され続けているのは、常にユーザーの声に耳を傾け、細やかな配慮や優しさが商品に反映されているからだろう。
そして、2026年には半世紀という大きな節目を迎えるケープ。時代やトレンドとともに進化しながらも、変わらぬ「キープ力」で私たちの美しさを支え続けてきたその姿勢は、まさにブランドの神髄だ。
これからも、朝の忙しい時間に、大切なデートの直前に、特別な日の思い出に——私たちの自信と輝きを「キープ」する頼もしいパートナーとして、ケープはまた新たな物語を紡いでいくだろう。

[1]FOR ACTIVEシリーズとして
[2]50gは除く

PROFILE

赤木 瑞枝(あかぎ みずえ)

花王株式会社
ヘアケア事業部にて、ケープのブランドマーケティング業務を担当

PROFILE

藤井 晶子(ふじい あきこ)

花王株式会社
ヘルス&ビューティーケア商品事業開発センターにてケープおよびリーゼの商品開発を担当

Text by Tajimax

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