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紫外線吸収剤は避けるべき? FEMMUE(ファミュ)が挑んだ、ナチュラルオーガニック業界の新基準UV開発

2026.04.28
花のもつ力に着目した、韓国発のナチュラルコスメブランド「FEMMUE(ファミュ)」。メイク、スキンケアともに人気を集めるブランドだが、今回注目したいのが、2025年にリニューアルした日焼け止めだ。
FEMMUEの日焼け止めに採用された画期的な処方技術や開発秘話に迫るとともに、日本と韓国における日焼け対策、美白に対する価値観の違いと共通点について取材した。

PROFILE

中村達也(なかむらたつや)

株式会社アリエルトレーディング 取締役

太陽を“避ける”のではなく“愛する”へ

FEMMUEは、花がもつ生命力と繊細なエネルギーからインスピレーションを得て誕生した韓国発のブランドである。開発者でありファウンダーのケリー・ジョン氏自身が、忙しい日々のなかでフラワーアレンジメントに触れ、花の色や香り、その一瞬一瞬に癒やされた経験が、ブランドの根底にあるという。
その思いは日焼け止めにも受け継がれており、シリーズ名の「WE LOVE SUN」には、文字通り太陽に対する前向きなメッセージが込められている。
「ファウンダーのケリーが以前アメリカに滞在していた際、曇り空が続いたあとに晴れ間が出た瞬間、街全体がポジティブな空気に包まれたことが印象に残っていたそうです。
紫外線を、単に避けるべきものと見なすのではなく、日光は私たちの肌や生活に活力を与える大切な要素でもあると捉えています。FEMMUEの日焼け止めは、日光を楽しみながら、肌は健やかに守るという観点から開発されました」
リニューアルした日焼け止め2製品は、花の特長を生かしながら、それぞれ異なるアプローチで肌を健やかに導くという。
「『ウィーラブサン ジェントルトーンアップ UVクリーム』は、ローズ、桜、ハスの花といったピンクのフラワーコンプレックス成分や、ナイアシンアミドを配合しています。白浮きしにくく、肌のトーンに溶け込むソフトピンクベージュベースで、肌の色むらやくすみを自然にカバーし、ツヤ感を与えながらナチュラルにトーンアップできるのが特徴です」
「もうひとつの『ウィーラブサン フレッシュリリーフ UVクリーム』は、ツボクサやパンテノール、グルタチオンなどを配合し、紫外線による刺激が気になる、ゆらぎやすい肌を快適に整えることに焦点を当てています。まるで美容液を塗っているかのような、軽やかでみずみずしい仕上がりです」
どちらも紫外線カット力はSPF50+・PA++++で、国内最高値を実現している。

ナチュラルコスメの常識を覆す「紫外線吸収剤」採用の裏側

今回のリニューアルにおける最大の特徴は、ナチュラル・オーガニック業界で敬遠されがちな“紫外線吸収剤”をあえて採用し、“紫外線散乱剤”と絶妙なバランスで組み合わせた点にある。
「国内最高値の紫外線カット指数(SPF50+・PA++++)を実現しながら、軽くて快適な使用感を維持することが最大の課題でした。以前の製品には散乱剤のみを使用していたため、処方が重くなったり、分離によって品質が不安定になったりする懸念がありました。今回、吸収剤を組み合わせることで閉塞感が軽減され、より一層品質が安定しました」
とはいえ、オーガニック志向のユーザーや店舗にとって、吸収剤使用品の導入は大きな壁でもあった。
「紫外線吸収剤を採用することはチャレンジでした。『吸収剤は肌荒れやサンゴ礁の破壊につながる』というネガティブなイメージがあったからです。
しかしFEMMUEでは、ハワイの法律で禁止されているオキシベンゾンなどの紫外線吸収剤はもちろん、さらに厳しく、パラベンなどの保存料も禁止しているパラオの基準にも適合した、環境に配慮した紫外線吸収剤を使用しています。
リニューアル後は、お客様からネガティブな声が寄せられるどころか、『塗り心地がよくなった』というポジティブな感想を多くいただいています」
一概に「紫外線吸収剤は悪」と捉えるのではなく、環境配慮や肌への影響まで見据えた処方設計こそが重要であることを示している。

韓国では、UVケアはメイクではなく“スキンケア”のひとつ

美容大国・韓国で生まれたFEMMUE。日韓のUVケアや美白に対する意識には、どのような違いがあるのだろうか。
「日本では日焼け止めがメイクの一部として位置づけられることが多い一方で、韓国では紫外線対策は基本的なスキンケアルーティンのひとつになっています。韓国ではPM2.5など空気中の汚れを気にする人が多く、肌が敏感になりやすい環境にあります。そのため高いSPF値だけでなく、スキンケア機能を兼ね備えた、軽くて快適な使用感のものが求められます。
また、韓国では美容医療が生活に根付いているため、今回の『ウィーラブサン フレッシュリリーフ UVクリーム』に配合されているグルタチオンのように、美容医療の現場から広がった化粧品成分も好まれます。美容に対する価値観としては、スキンケアと美容医療の2軸で肌をケアすることが当たり前になっていますね」
紫外線を物理的に防ぐ行動にも、興味深い文化の違いが表れている。
「日本では男性や子どもでも日傘をさす人が増えてきていますが、韓国では女性も含めて日傘を使う人はあまりおらず、サングラスで対応している人が多いです。日焼け止めやクッションファンデーションでベースメイクをしっかり作り込み、それでもシミができてしまったら美容医療に頼る、という印象があります。
ベースメイクの仕上がりについても、顔と首の色が多少ずれていても気にせず、顔のトーンをワントーン明るく整える人が多く、肌がピカピカと光るような『ツヤ感』が非常に重視されています」

“白く見せる”から“素肌を明るく育てる”へ 日韓に共通する新潮流

一方で、日韓で共通しているトレンドもあるという。
「日本の若い世代のあいだでは、K-POPカルチャーへの憧れから、顔を白く見せたいという意識が高まっています。メイクを厚塗りしている人も見受けられますが、トレンドとしては日韓ともに、『自分の素肌そのものを明るく、透明感のある状態に整える』方向へ向かっている印象です。
これからもFEMMUEは、花たちがもつエッセンスで肌をうるおいで満たし、明るく透明感を保つアイテムを手がけていきます。さらに機能面を追求するだけでなく、使った瞬間の感覚的な喜びや、肌で実感できる心地よさを届けるブランドであることを目指しています。
韓国を超え、日本を含むグローバル市場においても、FEMMUEならではのフローラルスキンケア哲学を伝えていきたいと思います」
FEMMUEのアイテムは、開発者であるケリー・ジョン氏自身が敏感肌であった経験を背景に、日本の敏感肌や乾燥肌のユーザーにも心地よく使えるよう設計されている点も心強い。肌や環境への配慮と使いやすさを両立したFEMMUEの日焼け止めは、太陽の下でも、私たちにポジティブな透明感と健康的なツヤをもたらしてくれるだろう。

Text by 継田 理恵(美容家/ライター)

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