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“着るバッグ”という発想! グリップスワニーが 生んだ革新のキャンプウエア

2026.03.13
アメリカがゴールドラッシュに沸く19世紀中頃、GRIP SWANY(グリップスワニー)は金鉱で働くワーカーのために、丈夫なバッファロー革を使ったレザーグローブを作り始めた。以後200年近くにわたり、グローブづくりを軸に進化を重ね、現在ではテントからアパレル、シューズまでも展開するアウトドアブランドへと発展している。
なかでも、ウエアでありながら、バッグにもなる2WAY構造を持つ「GEAR BAG VEST(ギアバッグベスト)」は、アウトドアフリークから高い支持を得ているヒット作だ。“手ぶらで動けるキャンプ服”の先端を行くこのベストの誕生秘話を、株式会社スワニー販売取締役兼企画担当・吉原秀利さんが語る。

PROFILE

吉原 秀利(よしはら ひでとし)

株式会社スワニー販売
取締役 企画担当

ブランドの歴史は黄色いレザーグローブから始まった

「ギアバッグベスト」の誕生には、ブランドの象徴である「G1 ヘリテージ グローブ」というレザーグローブが深く関わっている。
高強度のケブラー糸での縫製に加え、指部分の2重縫いによって耐久性も高められている。「G1 ヘリテージ グローブ」 8,800円(税込)
「現在はバッファロー革から牛革に変更していますが、頑丈さや機能性はそのまま引き継いでいます。手の甲側の縫製や革の裁断は、銃を扱う際に着けるグローブのように動かしやすい構造で、縫い目を外側に出すことで、工具やギアを握る際の干渉を抑えています」
ブランドのシンボルカラーである“スワニーイエロー”にも理由がある。鮮やかな発色のイエローは、暗い鉱山でも落としたグローブを見つけやすいよう、視認性を高めるために採用されたものだ。

レザーグローブを収納できるウエアがコンセプト

「このレザーグローブは、2019年頃から起こったキャンプブームの時期に“焚き火に最適なグローブ”として注目され、キャンパーの間で広がりました。そのなかで『このグローブを収納できるキャンプウエアが欲しい』という声から、ベストを開発することにしたんです」
前後に設けられた大型のパッチポケットが存在感を放つ。「ギアバッグベスト 5.0」 20,900円(税込)
キャンプサイトでは、できるだけ手ぶらで動きたい。そのためこのベストには、グローブだけでなく、あらゆるギアを服に収められるバッグと同等の収納力が付与された。
大型パッチポケットの内側にも、スマホなどを収納できるオープンポケットが設けられている
「前後にグローブを収納できる大型ポケットを備え、フロントにはスマホが入るオープンポケット、小物を整理できるジップポケットを配置しています。荷物を多く入れても着心地を損なわないよう、各ポケットの形状や重量バランスを調整しています」
背中にも大型パッチポケットを装備。引っ掛けられるようD環もあしらわれている
フィッティングはゆったりめで、ショルダーベルトを調節すればアウターの上からも着用可能だ。

ベストにもバッグにもなるハイブリッド構造

とはいえ、大型ポケットを備えたベストはほかにもある。グリップスワニーがさらに加えたのは、キャンプ時に薪や大きなギアを運ぶ際にも対応できる工夫だった。
それが、ベストからバッグへの変形機構である。底部のファスナーを閉じるだけでトートバッグのような形状に変わり、ショルダーベルトがそのままハンドルの役割を果たす。ベストの外側のポケットには細かなギアやツールを収納できる。
脇部分のドローコードを使えば、バッグの口の開き具合も調節が可能だ。
「バッグとしての強度を確保するため、ベストの付け根など負荷のかかりやすい部分はカンドメと呼ばれる縫製で補強しています」
ベストからバッグへチェンジ。ベルト兼ハンドルは長さを自在に調節できる
こうした独自の構造を持つギアバッグベストは、レザーグローブ愛用者だけでなく、多くのキャンパーから支持を集めた。

現行の5.0には伝統のロクヨンクロスを採用

2021年の発売以来、素材やポケットの形状などのマイナーチェンジが重ねられ、現行の「5.0」は5代目にあたる。
「ユーザーや開発チームのフィードバックを反映して改良を続けてきました。今回の主な変更点は素材です。4.0までは軽量で速乾性のあるサプレックスナイロンを採用していましたが、5.0ではコットン60%、ナイロン40%が混紡された通称ロクヨンクロスに切り替えています」
ロクヨンクロスといえば、1970年代のマウンテンパーカやバックパックにも用いられたアウトドアギアの伝統的な素材だ。コットンの通気性とナイロンの耐久性をあわせ持ち、ぬれるとコットンが膨張して水の浸入を防ぐ機能がある。
ロクヨンクロスの独特の風合いが、レザーグローブに通じるレトロなムードを醸し出す
「ナイロンの軽さや光沢を残しつつ、使い込むほどに風合いが増していくのもポイントです。経年変化を楽しめるという点では、G1グローブとも共通しています。
また、これまでのヘビーユーザーはキャンパーが中心でしたが、最近は街でも着たいという声が増えています。ロクヨンクロスに変えたことで、アウトドアだけでなくタウンユースにも自然に溶け込む一着になったと思います」
カラーバリエーションはブラック、コヨーテ、カーキの3色展開
ギアバッグベストは、今後も継続的にアップデートを重ねていく予定だという。
「ブランドとしては、iOSのように少しずつ完成度を高めていきたいと考えています。すでに次期モデルの6.0の企画が進行しており、ユーザーのフィードバックを反映したアップデートを検討しています」
グリップスワニーのブランドコンセプトは「GO ON AN ADVENTURE.(冒険に出かけよう)」その言葉のとおり、手ぶらで動けるキャンプベストは日常を冒険に変えるギアなのだ。

Text by Ryota Osujo

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