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圧縮機能で大容量なのにスタイリッシュ:HOLICCのバックパック「One」を持って、旅するように働こう
旅するように働く。自由で刺激に満ちたそのスタイルに、あこがれを抱く人は少なくない。しかし現実には、荷物の多さや、旅先とビジネスの場をシームレスに行き来する難しさといった課題が立ちはだかる。
株式会社シンクロのオリジナルブランド「HOLICC」が開発した「One」は、そんな悩みに応えるバックパックだ。旅にも仕事にもなじむような、両シーンで快適に使える工夫を凝らしている。今回はこの製品を手がけたチーフプロデューサー・齊藤英之さんに話を聞いた。
“旅をしながら働く” を、軽やかに叶えていく
HOLICCはどのようにしてスタートしたのですか?
HOLICCは、もともとバックパッカーとして「旅をしながら働く」というライフスタイルを実践していたメンバーが集まり、2020年に立ち上げたブランドです。当時は「旅」と「仕事」の両方のニーズを満たすアイテムがなかなかなく、それなら自分たちの働き方や生活にフィットするものを作り、同じ価値観を持つ人々に届けたいと思いプロダクトの開発に踏み切りました。
「One」というプロダクトが誕生したきっかけは?
Oneのリリース前に、「PackBag」「PackBag+」という圧縮機能付きのショルダーバッグをリリースしました。それが大変好評をいただき、その機能を取り入れて開発したのがバックパック型の「One」になります。そもそも圧縮機能付きのバッグ自体、あまり世に出ていません。一部、ポンプで空気を抜くタイプがありますが、「One」はバックパックについているファスナーの開閉のみで圧縮できるよう、シンプルさと実用性の高さにこだわり作り上げました。
「これ1つで、旅して働ける」というコンセプトを体現するプロダクトとなっています。
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徹底した素材選定と、使い勝手の追求
「One」に主に使われている「シルナイロン コーデュラ®」の特徴を教えてください。
表側に使っている「シルナイロン コーデュラ®」は、米軍も採用するほど強度の高い「コーデュラ®ナイロン」という素材の中でも、もっとも軽い「ウルトラライト」に、撥水性とその耐久性が高いシリコンコーティングを施したものです。
通常の撥水加工は経年変化で撥水性が低下していくのですが、シリコンコーティングは撥水性そのものも高い上に効果が低下しにくく、長く使える点が特徴です。
全体に同じ生地を使うと単調な印象になるので、デザインにメリハリをつけるために複数の撥水生地を組み合わせ、機能とデザインのバランスも工夫しています。
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シンプルさの中にも独自性の光るデザインです。その他、デザイン面でのこだわりはどこにありますか?
シルナイロン コーデュラ®︎は上品な光沢感があるので、ファスナーにはYKK10号という大きめのものを使い、骨太な印象も持たせることで個性を出しています。それでいて全体のデザインはミニマルにまとめているので、年代や性別を問わず手に取りやすいと思います。完全なビジネス用でも、アウトドア専用でもないプロダクトとして、都市と自然、日常と旅の境界をなめらかに横断するためのバランスを意識して作りました。
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使い勝手を高めるこだわりについても教えてください。
重さを感じさせない設計にもこだわっています。その秘密は大きく分けて3点あり、1つ目は「2階建て構造の収納スペース」です。
同じ質量のものを背負っても、実は、肩に近い上部のほうがバックパックが揺れないので重さを感じにくいんですね。
通常のバックパックは当然ながら下から荷物が溜まっていくので、重く感じやすいという課題がありました。一方で、「One」は収納スペースが上下に分かれた2階建て構造になっているので、上部のスペースに重いものを入れて適切に使用することで軽く感じるんです。

ちなみに、ポケットの高さは上部よりも下部のほうが高い設計になっており、ペットボトルやタンブラー、折り畳み傘など長さのあるものを収納できるようにしています。

2つ目は、芯材屋さんに別注でオーダーしている高密度かつ低反発のショルダーハーネスです。低反発素材は体に密着して、接触する表面積が増えるので荷重が分散されるのですが、柔らかすぎると荷物に引っ張られ、荷重が背中と反対側にかかってしまいます。
そこで高密度な低反発素材にすることで安定性が増し、バックパックが後ろに引っ張られないので重さを感じにくいのです。また、ショルダーハーネスの幅や角度も何度もテストを行い改良を重ねています。

3つ目が「型崩れしづらい構造」です。スクエア型のバックパックは、ある程度使うと上部が凹んできてしまいやすいんです。
「One」は、圧縮した際に他のスペースを潰さないよう、圧縮スペースと他のスペースの間にプラスチック製の板を入れており、それが型崩れしづらい構造にもつながっています。そのため、購入から時間が経っても収納スペースやショルダーハーネスの機能が生き続けるという利点があります。
それ以外にも、ポンッと置いても自立する設計やキャリーケース用のストラップ、背面のシークレットポケットやショルダーハーネスのカードポケットなど、使い勝手を向上する細かいこだわりはたくさんあります。
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購入者アンケートを行うなどユーザーの声を多く集められているとのことですが、実際にプロダクトに反映した例はありますか?
細かい部分を含めれば数えきれないほどありますね(笑)。一例を挙げると、PCの収納ポケットについて、「ファスナーを開けて、PCスペース内にあるポケットにPCを入れるときに、引っかかりやすい」という声がありました。そこで、PCスペース内のポケットではなく、そのスペースに直接PCを入れられるように、ポケットの位置を変更しました。逆側に移動したポケットには、書類やタブレットなどを収納することが可能です。
すべての意見を反映することはできませんが、「One」をアップデートしていくうえでお客様の声は欠かせません。

「One」シリーズの最新作「One mini」
今後、シリーズの新商品として「One mini」が発売されるそうですね。開発のきっかけについて教えてください。
「One」は高さが46cm、幅が28cmあるので、特に女性ユーザーから小さめのサイズを求める声があり、「One mini」を開発しました。高さは39cmで幅は変更していません。容量は本体部分が13リットル、圧縮部分が10リットルで、「One」より3〜7リットルコンパクトになりました。全体の高さが低くなったぶん、2階建て構造の上部ポケットの高さを低くしています。
上部ポケットの容量は多少減りますが、底が浅くなると入っているものが見渡しやすくなるメリットもあります。下部ポケットの高さは変えていないので、長さのあるものは「One」と同じく収納可能です。
「One mini」はバリエーションも増やしています。「One」と同じくシルナイロン コーデュラ®︎を使ったものに加え、光沢がありなめらかで肉厚なポリエステル生地を前面に使ったバージョンも用意しました。新しい生地のものは、黒とグレージュの2色展開です。
「One」はシルナイロン コーデュラ®︎を使った黒1色の展開なので、お客様から「使いやすくて人に勧めたいものの、自分とまったく同じものは勧めづらい」という声もありました。バリエーションを増やすことで、そこを気にせず共有してもらえるとうれしいですね。
最後に、今後の展開について教えてください。
私たちのミッションは、「旅と仕事の境目のない生き方を、普通の選択肢にする」こと。「One」と「One mini」は、その一歩として生まれたプロダクトです。今後はバッグのサイズバリエーションをさらに充実させるほか、アパレル製品の開発にも力を入れていきます。これまで続けてきた「旅と仕事を両立できる環境づくり」を、これからも目指していきます。
「旅は、身軽になればなるほど出発しやすくなる」と齊藤さんは言う。HOLICCは、もっと自由に働きたいと考える人たちの背中を押してくれる存在として、これからも愛され続けていくだろう。
PROFILE

齊藤 英之(さいとう ひでゆき)
株式会社シンクロ HOLICCチーフプロデューサー
マーケティングのキャリアを15年歩んだ後、HOLICCを立ち上げ。責任者として、商品企画、SCM、EC運営、集客など全領域を管掌。現時点で、HOLICCアイテム全てのデザインを手掛ける。ニーズより深いペイン(痛み)を見つけ、それを既存の枠組みにとらわれずに解決するプロダクトデザインが得意。家族で旅行やワーケーションに行く中で、開発中のプロダクトを試している。
Text by 三浦 希


















