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ワークマンがたどり着いた“働く女性のためバッグ”=「しごできカバン」:そのトート&リュックを徹底解剖!

2026.03.02
ワークマンの女性用バッグといえば「マザーズバッグ」が頭に浮かぶ。子育ての忙しい日々を支える、優れた機能と抜群の収納力を誇る人気シリーズである。
では、女性用のビジネスバッグはどうだろう? それが、満を持してこの春に登場した「しごできカバン」だ。同社のチーフバイヤーを務める森川俊さんは、「『マザーズバッグ』とともに、ワークマンのもうひとつの柱となるシリーズを作りたかったんです」と語る。
ワークマンの展示会に赴き、「しごできカバン」の開発の経緯と、デビュー作となったトートバッグとリュックの詳細を取材した。

直感的に欲しくなる見た目も重要

ワークマン初となる、働く女性のためのバッグです。まずは「しごできカバン」のコンセプトを教えてください。
現在ワークマンには、ライフスタイルのさまざまなシーンに寄り添う商品がラインナップしています。しかしながら社名にあるとおり、私たちの原点はやはり“仕事”にあります。その仕事ときちんと向き合うバッグを作ろう、というのが開発のきっかけです。
シリーズ名にある「しごでき」はここ数年のトレンドワードであり、わかりやすくコンセプトを伝えたいという思いもあってこのネーミングを採用しました。
ワークマンのチーフバイヤーを務める森川俊さん。去る2月9日、東京・有楽町で開催されたワークマンの展示会にて
デビューしたのは「2WAYトートバッグ」と「3WAYリュック」の2型です。一見したところ、ある意味ワークマンらしからぬ“キレイめなバッグ”という印象を受けました。
レディースの製品開発担当になったとき「パッと見て可愛い、パッと見て欲しくなる」バッグが少ないな、と感じていました。ワークマンは機能に徹底してこだわってきましたが、デザイン面でも新たなチャレンジが必要だと思ったんです。
その象徴的なディテールが、ゴールドカラーの金属パーツ(ピンクベージュとアイボリーに採用)です。もちろん好みはありますが、ゴールドを取り入れることでよりフェミニンな雰囲気が漂います。今までは「パーツで主張する必要はない」という考え方のもと、生地と同色のプラスチック素材を使うことが多かったんです。
左から「しごできカバン 撥水防汚2WAYトートバッグ」(H27×W35×D13cm)、「しごできカバン 撥水防汚3WAYリュック」(H39×W30×D16cm)。各3,500円(税込)
なるほど、パーツひとつで印象ががらりと変わるんですね。全体的にはどのようなデザインを目指したのでしょうか。
パソコンや書類など、多くの荷物を持ち歩く女性をユーザーとして想定していますので、トートもリュックも、バッグ自体の容量はかなり大きいんです。でもゴツいイメージにはしたくない。そこでボディやハンドルに丸みを持たせて、その大きさを感じさせないデザインに仕上げました。
トートもリュックも十分な容量を確保しながら、無骨さのない、優しいイメージのデザインに仕上げている
本体に使用している生地も上品なイメージです。
滑らかなポリエステル素材を採用しています。張りのあるしっかりとした生地ですが、見た目ほど重くはありません。こちらはかなり多くの荷物が入っている状態のトートです。ぜひ持ってみてください。
確かに。軽量で美しい生地ですが、機能性はどうでしょうか。
撥水性に加えて防汚機能を備えています。仕事で使うバッグは、たとえば駅のホームから社内の床面など、どうしても地面に置いてしまうことがあります。そんなときに汚れにくい、かつ汚れが落ちやすい加工を施しました。見た目はキレイめですが、実はタフな生地なんです。
さらにトートにもリュックにも底鋲が付いています。これも汚れに対する配慮から生まれたディテールです。
生地には水をはじく撥水加工および、汚れが付きにくい防汚加工が施されている。トートとリュックのどちらも底鋲が付く仕様だ
トート、リュックともにカラーは4色で展開します。ブラック、ネイビーは必要不可欠ですし、女性用として考えるとアイボリーも比較的定番色といえます。ピンクについては少し悩みました。ひと口にピンクといっても幅がありますから。ビジネスシーンにも合うような、ニュアンスのある優しいピンクを選びました。
トート、リュックともにブラック、ネイビー、ピンクベージュ、アイボリーの4色で展開する

「しごでき」の核心は多収納にあり

では改めて、「しごできカバン」の機能的な特徴を教えてください。
たくさんの荷物を携行する方を想定しているので、まずは容量が大きいことが特徴です。また開発のリサーチ段階で、働く女性の多くが「バッグを2つ持っている」ということに気づきました。
本来のバッグのほかに、お弁当などを入れる別のバッグを携行しているんです。そこで弁当箱がきちんと収まるよう、トートもリュックもマチを広くとっています。
トートは17、リュックは16と数多くのポケットが付属する。マチ幅も広めだ
ただそうなると、バッグ本体が軽くても、荷物全体はそれなりの重量になってしまいますね。
そうなんです。そこでトートのハンドルにはパッドを入れて、手に食い込まないようにしました。付属するショルダーストラップも比較的広めの設定です。またリュックのストラップも厚めのパッド入りで、肩への負担を軽減しています。
ハンドルやショルダーストラップには、手や肩の負担を軽減するための工夫が施されている
「しごできカバン」の最大の特徴は、多くの荷物を効率的に収納するポケットではないでしょうか。ポケットの数はトートが17、リュックが16あります。
実は開発当初は、ポケットの数は10くらいの設定だったんです。しかし女性のユーザーにヒアリングを重ねていくなかで、これでは全然足りないことに気づきました。
最初の試作品から大きく変わった点は、メイン荷室の外側に装着した大きなポケットです。女性用のバッグには、この「さっと取り出せる」ポケットが少ないと感じたので。すぐに出したい書類や小物類の収納に便利だと思います。
メイン荷室の両側には、投げ込み式の大きなポケットが付属する。すぐに取り出したいものはこちらへ
ノートPC用から日傘用までさまざまなポケットが装備されています。そのなかでも「これはよくできた」と思うポケットはありますか?
なかなか珍しいと思うのは、保冷・保温ができるボトルホルダーでしょうか。チタンコーティングを施した裏地付きなんです。
トート、リュックそれぞれに、保温・保冷できるボトルホルダーが付く。暑い夏場、そして寒い冬場にありがたいディテールだ
また厳密に言えばポケットではありませんが、付属のマルチポーチも「しごできカバン」の大きな特徴のひとつです。
化粧直しやランチに出るときには、ちょっとしたポーチがあると便利ですよね。本体のショルダーストラップを装着すれば、サコッシュのように使うこともできます。もちろんバッグインバッグとして使っていただいてもOKです。
付属のミニポーチはそのまま使っても、本体のショルダーストラップを装着して使ってもいい
そのほか「しごできバッグ」の特筆すべき点がありましたら、ぜひ教えてください。
これも珍しいと思うのですが、リュックにはコードリールが付いています。サイドポケットの内側に、リールを装着するための金具があります。リュックを背負ったまままで社員カードやパスケース、キーホルダーなどを引き出して使うことができるんです。
リュックにのみ、取り外し可能なコードリールが付属する

3,500円を実現できる理由

美しいデザインと充実の収納を持つ「しごできカバン」ですが、トートもリュックも3,500円という驚くべきプライスです。なぜこのような低価格が実現できるのでしょうか。
大きく2つの理由があります。ひとつは、工場の閑散期に発注しているということ。人件費を安く抑えることが低価格につながっています。先方の工場にとっても、閑散期に稼働できるのはメリットだと思います。
もうひとつは数量の話です。現在ワークマンには1,000以上の店舗があります。必然的に工場のロット(生産の最小単位)を大きく超える発注となり、スケールメリットが生まれるため価格の交渉がしやすいのです。
デビューしたばかりの「しごできカバン」ですが、「ワークマンのバッグの、もうひとつの柱となるシリーズ」のために、どんな展開を考えていますか?
「しごできカバン」をもうひとつの柱に育てるには、まずは地道な浸透と継続的なアップデートが欠かせません。その積み重ねが、新たな“働くバッグ”のスタンダードを築いていくと考えています。
そのうえで来シーズンは、新たな型もローンチする予定です。詳しいことはまだお伝えできませんが、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

PROFILE

森川 俊(もりかわ しゅん)

株式会社ワークマン

製品開発部第4部

チーフバイヤー

Photo by Akinori Kawanishi
Text by Tomoshige Kase

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