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トレランバッグの長所を取り入れた「サロモン」のバックパック「エアロトレック」
「サロモン(Salomon)」から登山・ハイキング用のバックパックが今シーズン新たに登場した。近年はトレイルランやファストハイクに最適な、ベストのように着るタイプの小容量バッグが主力だったが、最新の「エアロトレック(Aerotrek)」シリーズは男性用が容量20L、30L、40L、女性用は18L、28L、38Lと日帰りから山小屋泊、コンパクトな装備のテント泊まで対応できるラインナップだ。
「トレランバッグといえばサロモン」という強いイメージを誇るブランドから久しぶりに打ち出される、本格的な登山・ハイキング用バックパックはどんな点が優れているのか? アメアスポーツジャパン株式会社サロモンSG MDの山村拓さんに話を聞いた。
アンケートを参考に重視した3つのポイントは「快適性」「取り回しのよさ」「軽量性」

背負っていることを忘れるようなフィット感が小容量ランニングベストの長所だが、携行品が数Lから15L程度までに収まるトレイルランやファストハイクだからこそベスト型のよさは生かされる。
「十分な装備を携行するハイキングや登山には、それなりの容積と重量を快適に支えうるバックパックがやはり必要です。その中にトレランバッグで培った技術や工夫を取り入れることで、『エアロトレック』は他にない優れた特徴を持つバックパックになっています」

「開発チームが世界19ヶ国の全500名にアンケートを取り、登山・ハイキング用のバックパックに対して何を求めるか尋ねたんですね。もっとも多かった回答は、背負ったときの快適性でした。次に多かったのが利便性、つまりポケットなどの取り回しのよさです。そして見逃せないポイントが軽量性です。
先の2要素、快適性と取り回しのよさを実現すると構造が複雑になりやすいのに対して、3つ目の軽量性を追求するにはシンプルにするのが近道なので、これら3つを同時に果たすのは至難の業といえます。『エアロトレック』は先の2要素を満たす構造を持ちながら容量20Lで重量845g、30Lで992gと1kgを下回り、40Lでも1,118gと軽量です」
アウトドア専門店でバックパックを見て回ると、ショルダーハーネスなど各部のポケットが充実して背面フレームの構造がしっかりしたバックパックとなると、容量30L以上なら重量は1㎏を超えるモデルが多くなっている。また、容量20L以下だと類似の構造を持つ製品がそもそも少ない。
「快適性、利便性、軽量性の3点が優れた均衡の上に成り立つバックパックが『エアロトレック』だと自信を持ってお伝えできます。軽量性についてはデータを参考に実際に背負って感じていただくしかありませんが、快適性と利便性(取り回しのよさ)に関して、もう少し詳しくご説明しましょう」
背面フレームを立体構造にした最大の目的、それは意外にも「フィット感」だった!
実際に背負ってみると軽量なのはもちろんだが、バックパックが全体に背中の高い位置で安定するのを感じる。おそらくこれも、背面フレームやショルダーハーネス、本体の構造に由来する特徴なのだろう。トレランバッグで培ったノウハウも、何らかのかたちで反映されているのだろうか?「背負った状態で行動しやすいトレランバッグで培った快適なフィット感を、できるだけ登山・ハイキング用のバックパックにも取り入れようと試行錯誤した結果、このメッシュとフレームとパッドを組み合わせた立体構造にたどりつきました」

バックパックの背面を立体的に浮かせる技術は1980年代に登場し、今日では多くのブランドに通気性を高める工夫として取り入れられている。「エアロトレック」が他と異なるのは立体構造を取り入れた主な目的。フィット感を高めて快適性を上げるのがメインで、通気性メインではないと山村さんは語る。
「アウトドア専門店などで見比べていただけばわかると思いますが、『エアロトレック』の背面のフレームは間隔が狭く、背骨に沿うような構造になっています。他社さんの製品は、概ねフレームの間隔がもっと広くてメッシュの面積が大きいはずです。
山で行動する際の身体の動きを検証すると、メッシュの幅が広くても結局、左右どちらかの端が身体から浮くんですね。それは行動中のフィット感を下げる要因となり、快適性の妨げにもなるので、左右交互に足を出して歩行するとき常に背中に当たる範囲にだけメッシュとフレーム、パッドを装備しました」
もちろん通気性も高められ、背面の蒸れにくさも得られているが、発想の原点はフィット感を高めることにある。背面に触れる面積を最小限にしたことは、副次的とはいえ軽量化にも寄与しているだろう。
取り回しのいいポケットの配置にも、トレランバッグで得られた知見を反映している


トレイルランニング経験者なら直感的にわかるのではないだろうか。登山・ハイキング用の「エアロトレック」にはトレランバッグのような取り回しのいいポケットが装備されている。20L、30L、40Lの各容量、基本的に同じ仕様。大きな容量ほど、この取り回しのよさは希少価値がある。
「40Lの『エアロトレック』のみ雨蓋仕様で、本体のメイン気室にトップだけでなくボトムからもアクセスできるようになっています。バックパックの底からも荷物を出し入れできると、容量が大きなバッグは便利なんですね。雨具や防寒具、寝具など使用頻度があまり高くなく、かさばる割に軽量な装備をボトムから出し入れするのがおすすめです」

登山・ハイキングを始めるとき、荷物を重く感じて懲りるケースがじつは多い。軽くて快適、小物などの取り回しもいい「アエロトレック」は初心者から上級者まで満足できる画期的なバックパックといえる。手軽なハイキングには20L、軽い食事やお茶など自炊するなら30L、山小屋やテントに泊まりがけなら40Lがおすすめだ。
PROFILE
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山村拓(やまむらたく)
アメアスポーツジャパン株式会社サロモンSG MD
アウトドア全般が好きで、サロモンショップがある高尾山に足を延ばしたり、主催イベントでトレイルランニングを楽しんだり。プライベートでも最近、3日かけて南アルプスを縦走。
Text by Naoki Sakata




















