JA/EN

AI検索

関連ハッシュタグ

Articles

世界中で人気になったanello(アネロ)「口金リュック」の秘密:“日常に寄り添うものづくり”に迫る

2025.07.09
2005年に大阪のバッグ製造卸会社「キャロットカンパニー」がスタートさせたブランド「anello(アネロ)」。手頃な価格と使いやすさがウリの「口金リュック」で人気を博し、ブランドの認知度を高めてきた。
今回は、立ち上げ時からブランドに携わる竹本寛さんとともに、20年の歴史を振り返りながら、ものづくりに込める想いや口金リュックが人気となった背景などを探る。

普遍的な価値を追求し、「年輪」を重ねるアネロ

アネロが誕生したのは2005年のことだ。「永く存続し、成長し続けるブランドになってほしい」という想いを込めて、イタリア語で「年輪」を意味する「アネロ」と名付けられた。
「アネロを立ち上げた当初から、年齢や性別、トレンドに左右されないバッグをコンセプトに掲げていました。商品開発では、“ちょっとしたポイント”や“何気ないひと工夫”を盛り込むことを大切にしています」
近年はジェンダーレスのアイテムが世の中に増えつつあるものの、当時は女性用・男性用と区別して販売されるバッグが多かったため、アネロのコンセプトは珍しいものだった。
「また、当時は機能性の高いバッグは高価であるケースが多く、気軽に手に取れるものはほとんどありませんでした。そのためアネロでは、お客様の利用シーンに合わせた機能性を持ちつつ、手頃な価格で購入できるバッグを開発してきました」
原材料費などの高騰もあるなか、現在でも「手頃な価格であること」を重視してものづくりを行っているという。ユーザーにとっては、これほど心強いことはない。

ポーチから着想を得て誕生した「口金リュック」

ブランドとしての認知度が飛躍的に高まったのは、口金リュックの誕生がきっかけだった。
「≪CROSS BOTTLE≫ 口金リュック®︎」6,490円(税込)
「口金リュックは、ブランド誕生10周年を迎えた2015年に発売しました。開発に至ったのは、当時販売していたポーチがきっかけです。
そのポーチは開口部にワイヤーを使っており、口が大きく開くのがポイントでした。ワイヤーが使われているバッグとしては、ドクターズバッグや修理業者などが使うツールバッグなどがあったのですが、リュックは存在していなかったので、『これをリュックに応用すると便利なのでは』という発想から開発をはじめました」
口金リュックは開口部が大きく開き、荷物を出し入れしやすいのが大きな特徴だ
ボストンバッグなどに比べて縦長のシルエットになるリュックは、どうしても開口部が狭くなりがちだ。それをいかに大きく開くようにするかは工夫を凝らす必要があった。
何度か試作を繰り返した末に完成した口金リュックは、社内や展示会でも評判を得て、低価格と機能性を両立したアイテムとして手応えを感じたそうだ。
リュックの下の方に入っている荷物も取り出しやすい
「発売後すぐに爆発的に人気が出たのではなく、口コミで少しずつ広がって国内外で人気を集めていきました。支持を得た理由は、開口部が広く中身が上からすべて見渡せることから、荷物が多いお子さん連れの親御さんや学生さんから重宝されたためです。
国内での認知度が向上したことでブランド力も高まり、海外でも多くのユーザーから支持を得ることができました。特に東南アジアでは、アネロのバッグを持つことがステータスとなっているほど、国民的な存在のブランドへと成長しています」
発売から4年ほど経った2019年には、ユーザーの利便性をさらに高めるため、口金リュックの定番モデルである「クロスボトルシリーズ」のリニューアルに踏み切った。
まずは、生地をポリエステル素材からペットボトルをリサイクルした「REPREVE®(リプリーブ)」に変更した。
世界的にサステナブルな取り組みへの関心が高まっていた情勢や、「REPREVE®」は使用するための品質基準が高く設定されているほか、1つのアイテムにつき、どのくらいリサイクル素材を使用したのかが明確に表示される点が採用の理由だったという。
クロスボトルシリーズの口金リュック®︎には、1つあたりペットボトル5本分のリサイクル素材が使われている
「生地を変更したことであまりにも印象が変わるということがないよう、それまで使っていたポリエステル素材の生地に風合いや触り心地を似せながら、オリジナルで生地を作ってもらいました。
機能面では、パソコンを収納できるポケットやセキュリティポケット、サイドポケット、キャリーオン機能を新しく加えて使い勝手を向上させました。また、ショルダーの芯材の厚みを増したり、付ける角度を調整したりして、背負い心地をよりよくする工夫も追加しています」
ワンポイントでアウトドア要素を取り入れたり、握り心地のよい金具を採用したりしているのもポイントだ

ニーズの変化に応えるアイテムを多彩にラインナップ

ブランド誕生から20年が経ち、ユーザーがリュックサックに求めるニーズは年々多様化している。以前は見た目を重視する傾向があったそうだが、それに加えて機能性や使い勝手の良さを求めるユーザーが増えたという。
アネロはその変化に対応し、口金バッグのほかにも多彩なラインナップを展開している。
「地球温暖化により暑さが厳しくなるのと同時に、ゲリラ豪雨といった大雨の頻度も、1980年頃と比べると約2倍になっています。そこで、急な雨にあっても安心できるリュックとして、耐水生地を使用した『NIMBUS(ニンバス)』シリーズを開発しました」
急に雨が降っても安心して使える「【耐水】NIMBUS リュック」8,690円(税込)
ニンバスは、アウトドア用のテントなどと同等の耐水機能を備えている点が大きな特徴だ。高い耐水性はユーザーからのリクエストも多く、大きな反響を得ている。
さらに今年の5月には、充実したポケット数・軽量・両面はっ水という、“あるとうれしい”機能が備わった「NEW STANDERD(ニュースタンダード)」シリーズを展開。夏に使うと気分が上がるような、爽やかなカラー展開が特徴だ。
「≪NEW STANDARD≫ リュック」6,490円(税込)
このように、アネロには多様なニーズに応える高い機能が備わったアイテムが揃っているが、ほとんどのアイテムがアンダー1万円という手頃な価格である。なぜここまで価格を抑えられているのか。
「ブランドを立ち上げる以前からB2Bの事業を行っているため、さまざまなアイテムの製造を手掛けるなかで培ってきたノウハウや工場とのつながりがあります。それを生かした作業効率の見直しや価格交渉などの小さな積み重ねで、この価格帯を実現しています」
手頃な価格で手に取れて、使用したいシーンに合うバッグを見つけられる。まさにブランドのコンセプトを忠実に体現しているのが伝わってくる。
最後に今後の展望について尋ねると、次のように答えてくれた。
「アネロが誕生して今年で20周年を迎えますが、現在の商品ラインナップに満足することなく、常に時代やユーザーのニーズに合わせて、今後も商品開発を進めていく予定です。
その上で、お客様の利用シーンをしっかりと見極め、『生活を提案するバッグ』を展開していきたいと考えています」
今後もアネロはユーザーの生活に寄り添い、進化を続けるだろう。手に取る人々の日常をより豊かに彩る「年輪」が、これからも刻まれ続けていくに違いない。

PROFILE

竹本 寛(たけもと ひろし)

2003年 株式会社キャロットカンパニー入社

2005年 anello®︎立ち上げ

Text by 奥山 りか

Tags

この記事はいかがでしたか?

シェアリンクをコピーしました

Related Articles

Related Database