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“日傘同等”の快適さをウエアで実現! ザ・ノース・フェイスの新素材「BREEZERANGE PRO(ブリーズレンジ プロ)」に注目
年々、暑さが厳しくなる日本の夏。紫外線や熱中症対策が欠かせないなかで、ザ・ノース・フェイスが開発した新素材「BREEZERANGE PRO(ブリーズレンジ プロ)」が注目を集めている。
紫外線をカットしながら、遮熱機能と通気性を持ち合わせた、まさに日傘のような素材だ。
「BREEZERANGE PRO」はどのように生まれ、どんなテクノロジーが詰め込まれているのか。ブランドで素材の開発に携わった飯島和宏さんに話を聞いた。
PROFILE
飯島 和宏(いいじま かずひろ)
株式会社ゴールドウイン ザ・ノース・フェイス アパレル事業部 アーバンライフスタイルグループ責任者
目指したのは“衣服による防御”
トレッキングやランニング、キャンプなどさまざまな領域のウエアを開発してきたザ・ノース・フェイス。なぜ、このタイミングで紫外線に着目した素材を手がけたのか?「これまでのザ・ノース・フェイスは、ダウンをはじめとした秋冬ウエアのイメージが強かったと思います。
ただ、アウトドアブランドとして春夏にも価値ある製品を届けられないか、長年模索してきました」
そこで着目をしたのが日本の夏の変化だ。
「近年、日本の夏は異常に暑く、しかも長くなってきています。2023年には、30度を超える真夏日が7月から9月まで続き、平均気温も年々上昇しています。
日傘や空調服など、暑さへの対策グッズは増えていますが、私たちは“衣服による防御”を、ザ・ノース・フェイスらしく再解釈したいと考えました」
こうして1年かけて開発されたのが、「BREEZERANGE PRO」である。
強い日差しや暑さに対応するために、同社が山岳アウトドアで培ってきた知見を生かし、「遮熱性」「紫外線カット」「通気性」という相反する機能が、高次元で同時に叶う素材となっている。
素材と織りの組み合わせで3つの機能性を確立
注目すべきは遮熱機能だ。「『BREEZERANGE PRO』は、紫外線カットはもちろんですが、遮熱機能に力を入れています。
具体的には、糸に遮熱効果と紫外線カット効果のある酸化チタンを多く練り込んでいます。そうすることで、日差しの熱を衣服内部に通りにくくし、紫外線を効率よく反射させます」
糸自体に練り込んでいるため、洗濯を繰り返しても効果が持続するという。

遮熱性を担保するために、「BREEZERANGE PRO」では、独自の遮熱基準を設定。
ただし、遮熱性やUVカット率を上げれば上げるほど、通気性が損なわれるというトレードオフが課題だったという。
「高いUVカット性を得るために生地の目を詰めすぎると、通気性が損なわれ、熱がこもりやすくなるんです。もちろんメッシュにすれば涼しくなりますが、今度はUVカット率が下がってしまう。
そこで暑さに対するケアは、違う軸が必要だと考え、生地の組織に着目しました」

これを解決するために、生地の構造を変えているという。
「簡単に言うと2枚のメッシュの折り目を少しずらすことで、風通しの良さは損なわずに、紫外線をカットするという構造です」
これは素材の開発を自社で行うことができる、ザ・ノース・フェイスだから実現できたと言えるだろう。

素材の快適性は実験でも実証されている。
「富山県にある自社の研究開発施設で行った比較実験では、静止状態で『全裸』よりも『BREEZERANGE PRO着用時』の方が涼しく感じられるという結果が出ました」
日常からアウトドアまで活躍する3つのアイテム
今回のコレクションでは、前述した「BREEZERANGE PRO」と、「BREEZERANGE」という2つのラインが用意されている。後者は遮熱基準こそ設けていないものの、UPF30〜50+、UVカット率90%以上という高い性能を誇っている。
素材だけでなく、シーンに合わせた多彩なラインナップも魅力だ。そこで、飯島さんに「BREEZERANGE PRO」を使ったおすすめのアイテムを3つ教えてもらった。
1つ目はキッズ向けのフーディだ。

「一般的に、アスファルトの照り返しなどの影響で、地表に近いほど暑く感じられると言われています。
特に大人の腰くらい、つまり高さ100cm前後はもっとも暑く感じやすいというデータもあり、これはちょうど子どもの身長にあたる高さなんです。子どもが熱射病になる背景には、こうした高さの環境要因もあると考えています。
だからこそ、子どもの健康を守るために、キッズ向けの遮熱アイテムには特に注力しました」

「このフーディには、BREEZERANGE PROを採用しています。紫外線や熱から体を守る機能性はもちろん、凹凸のあるカノコ素材で肌離れが良く、汗をかいても快適です。シンプルで飽きのこないデザインなので、着回し力も高いと思います」
2つ目はランニングウエアだ。

「同じBREEZERANGE PROのものですが、薄手ながらもUVカット、遮熱、通気性を確保し、さらに消臭・抗菌・防臭の加工を施しています。汗をかいても不快感がなく、夏のランニングに最適です」

ゆとりのあるシルエットや、袖をめくらずに腕時計の表示が確認できる仕様もランニング時の利便性を高めている。
3つ目はシャツだ。

「糸に特殊な加工を施すことによって、ポリエステルでありながら、リネンのような自然な風合いを実現しているのも特徴です。シャリ感のある肌触りは、ベタつきを抑えてくれるので、暑い日も一日中快適に過ごせます」
今後は変わりゆく気候に適応するウエアを拡張
ザ・ノース・フェイスは、「BREEZERANGE PRO」に限らず、変化する気候に対応した素材や商品の開発を行っている。「たとえば秋冬は、暖冬の傾向が高まるなかで、ダウンコートのようなヘビーデューティな製品ではなく、軽くて温度調節しやすいアイテムのニーズが高まっています。
そこでレイヤリングで体温をコントロールしやすい商品の拡張などを考えています。このように今後も“衣服による防御”で日常生活を快適にするアイテムを提供していけたらと思います」
猛暑、酷暑が当たり前になっている日本の夏。快適さと機能性を兼ね備えた新素材「BREEZERANGE PRO」は、暑さ対策の新しいスタンダードになるかもしれない。
Text by Junko Hayashida


























