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「ヘリーハンセン」の定番バックパック「ステティンド20」の人気から見る、“女性が求めるバッグ”の変化
1877年に商船(貿易船)に乗るセーラーたちのためのマリンブランドとして創業し、今ではアウトドアブランドとしての地位を確立している「ヘリーハンセン(HELLY HANSEN)」。
同ブランドから2022年春夏シーズンにリリースされたバックパック「ステティンド20(Stetind 20)」が現在、女性を中心に人気を集めているという。その理由はなんなのか。女性のバッグに対するニーズの変化や「ヘリーハンセン」のモノ作りにおけるこだわりと共に、同ブランドにて商品企画を担当している川尻啓介さんに話を聞いた。
ターゲットは「自立したクールな女性」
20リットルの容量を持つ「ステティンド20」と30リットルの容量の「ステティンド30」からなる「ステティンド」シリーズは、ヘリーハンセンがアウトドアカテゴリをローンチして以降、人気を博していた定番バックパック「スカルスティン(Skarstind)」の後継モデルとして誕生した。中でも「ステティンド20」のターゲットは「自立したクールな女性」だ。
「老若男女を問わない定番デイパックとして開発しましたが、シンプルなデザインなので、アウトドアにあまり親しみがない女性にもアプローチできるのでは、という考えのもと『ステティンド20』は女性でも使いやすいサイズや仕様にしています」と川尻さんは語る。
デザイン面においては、前モデルである「スカルスティン」が持っていた特徴的なセンターファスナーを継承しつつ、一部のポケットをなくし軽量化とシンプル化を実現。
メインコンパートメントには止水ファスナーを採用し、機能性を持たせつつもクールな印象を出すようにしているほか、フロントパネルにパッドを入れ、バッグの形が維持しやすいようにすることでクリーンなイメージに仕上げている。

また、主要素材として使用されているリサイクルポリエステルは、軽量性と強度を両立しているだけでなく、女性のコーディネートにも馴染みやすい、優しい光沢感を持っている。
シンプルさと使いやすさを重視して開発されたプロダクト
機能面においても随所に工夫が施されている。「ステティンド30」のショルダーハーネスが一般的な仕様になっているのに対して、「ステティンド20」は女性の肩幅にフィットするよう配置を調整した。
ハーネスと背面にはエアメッシュを採用し、背中や肩の蒸れを防ぐようにしているほか、平面の構造を立体的に作ることで、身体を包み込む形状にしている。

また、レインカバーが収納されている上部のポケットにパッドを入れることで、アイウエアや電子機器のバッテリーといった小物をしまうことも可能だ。さらにウエストベルトを収納できるようにすることで、タウンユースにも適した設計にしている。


「小さいポケットがたくさんあることで、どこに収納したかが分からなくなってしまうといったことがないよう、必要以上のポケットは排除し、シンプルさと使いやすさに重点を置いて開発しています。そうしたなかでも、通勤・通学で必要となるPCやタブレットに加え、ちょっとした防寒着やレインウエアなどを入れることができるほどの収納力を持っています」

「また、センターファスナーの中にはオーガナイザーを取り付けており、鍵やリップといった小物を効率よく収納できます」と川尻さんは説明する。

女性人気の理由は「持ち運ぶもの」と「ファッション」の変化
機能性と使い勝手の良さ、そしてシンプルなデザインを追求した「ステティンド20」は、トレッキングやウォーキングなど様々なアウトドアアクティビティだけでなく、旅行や出張、そして通勤といったタウンユースで使用する女性ユーザーも増えているという。「機能面ではセンターファスナー内のオーガナイザーをはじめとする収納のしやすさに定評があり、『小物の収納力があって普段使いにも良い』といったコメントを女性ユーザーの方からいただいています。デザイン面においては、フロントパネルからサイドコンプレッションベルトまでの切り替えをなくすことで生まれるクリーンな印象が好評ですね」と川尻さんは話す。

また、「ステティンド20」の女性人気が高まっている背景のひとつに、持ち運ぶものの変化があると川尻さんは分析する。
「ここ数年で、通勤・通学でバックパックを使用する女性が増えています。以前は資料を紙で持ち歩くことが多かったと思うのですが、現在は資料をPCやタブレットに入れて持ち運ぶ方が大半です。そうした重量のある電子機器を安全に効率よく運ぶため、バックパックが選ばれるようになってきたのだと思います」
また、ファッションの変化も影響しているようだ。
「特に働く女性は、これまで通勤時はスーツの上にステンカラーコートを羽織り、トートバッグを合わせるといったスタイルが主流でした。しかし近年では服装がカジュアル化しており、アウターも防水性や保温性の高いアウトドアブランドのものが徐々に選ばれるようになってきています。そうしたファッションスタイルに合わせるバッグとして、バックパックを選択する方も増えています」

「ヘリーハンセン」が見据える、今後のバッグ作りとは?
人々の生活やファッション、そしてバッグに対する需要が変化するなかで、ヘリーハンセンは今後、どのようなバッグを製作していくつもりなのだろうか。「これまでヘリーハンセンのバッグは、セーリングのカテゴリでは防水性や安全性にこだわってきました。またアウトドアカテゴリでは、水場で使用するバッグは防水性、長距離移動を想定したバッグでは軽さなど、利用用途に応じた機能に絞って設計することで、快適な使用感を生み出すことを重視してきました。
女性をターゲットにしたモデルは現状『ステティンド20』しかないので、サイズバリエーションの拡充やタウンユースを想定した仕様のアップデートを考えています」

「また、デザイン面においても縫い目を減らして軽量化を図るなど、クリーンでクールなイメージを与えられるように工夫しています。そうして設計されたバッグは、過酷な自然ではもちろん、街中でも快適に使うことができると考えています。
年々変化する環境の中で、人々が安全に自然と触れ合い、リフレッシュできるようなプロダクトを作っていきたいです」
普段着としてのファッションにアウトドアブランドが選ばれるようになって久しいが、そのトレンドがバックパックにも広がっている。「ステティンド20」は今後どのようなアップデートがされるのか、引き続き注視していきたい。
年々変化する環境の中で、人々が安全に自然と触れ合い、リフレッシュできるようなプロダクトを作っていきたいです」
普段着としてのファッションにアウトドアブランドが選ばれるようになって久しいが、そのトレンドがバックパックにも広がっている。「ステティンド20」は今後どのようなアップデートがされるのか、引き続き注視していきたい。
PROFILE
川尻 啓介(かわじり けいすけ)
株式会社ゴールドウイン
ヘリーハンセン事業部 企画グループ 担当者
2000年にゴールドウインへ入社。
販売、営業、調達業務の部署を経て、ヘリーハンセン事業部へ。
アウトドアフィールドでの経験を活かし、ヘリーハンセンの商品企画を担当。
Text by 石塚 振





















