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薄くて軽くて暖かい! 屋外で働く職人のためにつくられた、ワークマン「バズヒートエアーフーディ」に込められた開発者のこだわりとは

2024.12.02
近年は暖冬が多くなったとはいえ、一日中屋外で働く職人が冬場に求めるのは、やはり防寒性が高いアウターだ。ワークマンは長年、そんな職人のニーズに応え続けてきた。いわば、ワークマンは防寒アウターのスペシャリスト。毎年、バラエティに富んだ防寒アウターを展開している。
 
今回は、株式会社ワークマン製品開発第1部製品企画チーフ枇杷木智さんに、ワークマンの公式アンバサダーである山田耕史が、ワークマンの防寒アウターのひとつ「バズヒート」シリーズの魅力を伺った。

「バズヒート」シリーズは“目立たない優等生”

山田耕史(以下、山田) 「バズヒート」シリーズの企画はどのようにして始まったのですか?
 
枇杷木智(以下、枇杷木)「バズヒート」の「バズ」には「爆発」という意味があります。様々な素材を使って試作を重ねた結果、高機能な中綿を使用することで”薄くて軽いのに暖かい”という新たなコンセプトの防寒企画が誕生しました。
ワークマンはお客様の多様な用途や好みに対応するために、いろいろな素材を用いた防寒アウターを展開しています。たとえば、ダウン素材の持ち味はボリューム感です。防寒アウターにボリューム感を求められる方は、少なくないんです。
それに対し、2024年秋冬の「バズヒート」シリーズのフラッグシップモデルである「バズヒートエアーフーディ」の特徴は、薄くて軽くて動きやすいということ。もちろん、暖かさはキープしたうえで、です。
中わたに、グラフェンという熱伝導性が高い素材を吹き付けた、ETHERMALOFT®(エサーマロフト)という素材を使っています。これにより、プラス約8℃の発熱効果を生み出しています。
「バズヒートエアーフーディ」3500円(税込)
山田「バズヒートエアーフーディ」は、スポーツウエアのようなすっきりとしたデザインですが、どういった着用シーンを想定して企画されたのですか?
枇杷木アウトドアやスポーツ用途にも使っていただいているようですが、実はワークウエアとして企画した製品です。スポーティなデザインになったのには理由があります。ほとんど知られていないと思いますが、ワークウエアにもデザインのトレンドがあるんです。
以前はデニム素材のような、カジュアルな雰囲気の製品が人気だったのですが、最近はスポーティなデザインが好まれるようになっています。直近の傾向を見ていると、クラシカルなデザインのアイテムも動き始めているので、今後は人気が拡大するかもしれません。
もちろん、「バズヒートエアーフーディ」の魅力はデザインだけではありません。現場の職人さんが着るので、効率的に作業できる工夫を随所に盛り込んでいます。
たとえば、裾の部分は体にフィットするようなつくりになっていて、腕を上下させても裾ができるだけ動かないように配慮しています。
「バズヒートエアーフーディ」3500円(税込)
枇杷木袖口にサムホールを設けているのは、手の甲まで暖かくなるための工夫です。
枇杷木風が強い時に顔周りを温めるため、フードもこのように頭の形にフィットするフォルムにしています。生地には高撥水加工を施しているので、水がかかっても平気ですし、多少汚れても落ちやすくなっています。
枇杷木また、「バズヒートエアーフーディ」は収納力の高さにも非常にこだわっており、ポケットを6箇所設けています。裾の内ポケットには、ペットボトルを入れることもできます。
枇杷木左胸のポケットにはスマートフォンを入れることを想定して、ラミネートによる防滴加工を施しています。
枇杷木ファスナーのスライダーにもかなりこだわっています。柔らかい素材のスライダーを使っているのですが、なぜだかわかりますか?
山田現場での安全性を考慮して、でしょうか?
枇杷木「バズヒートエアーフーディ」はパッカブル仕様で、左サイドのポケットを裏返して収納できるようになっているんですが、そのときにスライダーが硬いと生地を破ってしまう危険性があるからなんです。
こうやって収納状態にすると、ちょっとした枕代わりにもなるので、車内で休むときや、キャンプのときなどに便利です。
枇杷木細かいポイントですが、収納したときにどの製品かわかるように、製品名に加えてイラストもプリントしています。
山田これはありがたいですね!ワークマンにはパッカブルの製品が多いので、収納したときにどれがどれか、わからなくなってしまうことがあるんです。
枇杷木裏地にも特殊な素材を使っています。山田さん、ちょっと羽織ってみてもらえますか?
 
山田滑りが良くて、すんなりと着られますね。
枇杷木この製品のために、特別に開発した生地なんです。「バズヒート」シリーズは、売り場ではあまり目立つ存在ではないんですが、こういう細かいところにかなりこだわってつくっています。いわば、“目立たない優等生”という感じです(笑)。

製品タグに秘められたワークマン開発担当者の苦労

山田製品のイラストはタグにも記載されていますが、こういったものは社内で制作されているんですか?
枇杷木外部の会社にお願いしています。「バズヒートエアーフーディ」のイラストを左腕を上げたデザインにしたのは、動きやすさを訴求するためです。これは、私がアナログで描いたラフなイラストをベースにして、3Dのデータをつくってもらいました。
それぞれの製品開発担当者がタグもつくるのですが、そういったことを専門に学んだ訳でもないので、製品の特徴をイラストでわかりやすく表現するのは、なかなか大変なんです(笑)。
枇杷木製品名についても同様です。たとえば、軽さをアピールするのに「ライト」がいいのか、「スーパー」を付けて「スーパーライト」にしてもいいのか、そもそもどこまで軽ければ「スーパーライト」と言えるのか、それとも「エアー」や「フリー」のような別の言葉がいいのか、春夏製品と秋冬製品は別の名前にしたほうがいいのかなど、いろいろと頭を悩ませています。
たくさん盛り込んだ機能を全部アピールしたいからといって、製品名が長くなり過ぎるのも問題なので、ある程度コンパクトにすることも求められます。
 
タグに記載している文言にも、かなりこだわっています。ワークマンは、2024年秋冬から機能性をわかりやすくお伝えするようになりました。以前は英語を使ってカッコつけていたんですが(笑)、今回からはひらがなも多く使うようになりました。
先程お話ししたような「プラス何℃」という表現は、第三者機関に検査を依頼して効果を確認するなど、時間とコストをかけてきちんとつくっています。

意外に好評だった「バズヒート」製品

 
山田同じ「バズヒート」シリーズで僕が注目しているのが、「バズヒートフライヤー3WAYコート」です。ベンチコートのように丈が長いアウターはワークマンでは非常に珍しいので、2023年秋冬に登場したときは1シーズンで販売が終了するかも、と思っていたのですが、2024年秋冬でも展開されていることを知って驚きました。
バズヒートフライヤー3WAYコート」5800円(税込)
枇杷木こちらは「バズヒートエアーフーディ」とは違う、セラミック微粒子が練り込まれた機能中わたを使っています。体から出た遠赤外線を、セラミック微粒子が吸収し、体に輻射を繰り返すことで暖かさを得る仕組みです。
防寒性を重視した、ややボリューム感があるアイテムですが、裾を取り外して着丈を調整できるようにしており、さまざまな気候に対応できるアイテムとして、好評をいただいています。
山田子どものスポーツの応援をするときなんかに着る人が多いんじゃないかな、と思います。僕の妻は冬場のキャンプのときに愛用しています。
枇杷木ワークマンには焚き火の火の粉が飛んでも穴が空きにくい、フレイムテックというシリーズがありますが、このフレイムテックで「バズヒートフライヤー3WAYコート」のキャンプバージョンをつくるのも面白そうです。
山田2024年秋冬からはキッズ用の「バズヒートコートキッズ」も展開されていますね。こういったアイテムは、他のブランドではなかなか見かけないので、ヒットするんじゃないかと思っています。
 
「バズヒートコートキッズ」3900円(税込)
山田来年の冬に向けて、新たな製品のアイディアは生まれているのでしょうか?
枇杷木新しい中綿素材を使用して、近年の気候に合わせた薄くて暖かいアウターを作りたいと考えています。
山田面白そうですね。楽しみにしています。
 

PROFILE

枇杷木 智(びわき さとし)

株式会社ワークマン製品開発第1部製品企画チーフ

PROFILE

山田 耕史(やまだ こうじ)

ファッションアナリスト/ワークマン公式アンバサダー
「山田耕史のファッションブログ」を中心にフリーランスとして活動。著書に『結局、男の服は普通がいい 世界一かんたん、一生使えるオシャレの方程式』(KADOKAWA)
 

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