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動き続けるための新世代シェル: Rab(ラブ)の「ファントム ジャケット」が 再定義する“軽さ”の意味
「軽いだけ」「雨風を防ぐだけ」のシェルでは、もはや足りない。
Rab(ラブ)の「Phantom Jacket(ファントム ジャケット)」は、トレイルランやファストパッキングといった、軽量装備で長時間動き続けるユーザーのために開発された防水軽量シェルだ。
必要なときには確実に機能し、不要なときは存在を忘れさせる。そのミニマルに振り切った設計は、Rabが志向する「信頼できるギア」の現在地を示している。
本記事では、株式会社LandR担当・吉野雄大さんへの取材をもとに、本ジャケット誕生の背景から軽さの秘密、機能性までを明らかにしていく。
PROFILE
吉野 雄大(よしの ゆうだい)
株式会社LandR
Rabの日本における正規総輸入代理店である株式会社LandRにて、セールスを担当。
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目指したのは、行動を止めないための軽量防水シェル
Rabは英国・シェフィールド生まれのアウトドアブランドである。1981年の創業以降、登山家の実体験を起点に、無駄を削ぎ落とした設計と、実地で信頼できる性能を追求してきた。山岳環境で培われた機能美が息づくデザインは、登山愛好家やトレイルランナーの間で高い評価を得ている。
そんなRabが2025年春夏シーズンにリリースした「ファントム ジャケット」は、現代の山での行動スタイルに合わせて開発された軽量防水シェルだ。
「近年流行しているトレイルランニングやファストパッキング、ウルトラランなどでは、従来の本格的な防水シェルは行動の自由度を下げる過剰な装備になりがちです。そこでRabは、携行することを前提にした緊急対応用シェルを開発することにしました」

開発にあたり、まずは「用途を明確に定義すること」から着手したという。
「現在、トレイルランニングやファストパッキングのような軽量装備で長時間・長距離を移動するアクティビティに必要とされるのは、天候の急変に備えて常に携行でき、必要なときにすばやく着用できるシェルです。そのために、携行しやすい軽さ、着脱しやすいこと、高強度の運動中にストレスを感じないこと、この3点を総合的に満たすことを重視しました」
「最軽量」「最小限」を支える素材設計
携行しやすい軽量性に大きく貢献しているのが、表地に採用されたPertex Shield 2.5レイヤー構造の7デニールナイロンだ。防水シェルとしては極めて薄く、生地重量は51gsmに抑えられている。gsm(ジーエスエム)とは、生地1平方メートルあたりの重量を示す数値で、このモデルに使われている生地は、1平方メートルあたり51グラムということになる。一般的な防水ジャケットが100〜150gsm前後、軽量シェルでも70〜90gsm程度であることを踏まえると、この51gsmという数値は、防水シェルとして極限クラスの軽さだといえる。
ナイロンは単に薄くするのではなく、糸の品質や織りの密度、コーティング設計を最適化することで、実使用に耐えうる耐久性のラインが慎重に見極められている。
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軽量性を追求する一方で、耐水圧は20,000mm、透湿性は20,000g/m²/24hrsを確保した。
「山岳エリアやトレイルでの急な雨や、発汗量の多い行動を想定しています。豪雨下で長時間停滞するのではなく、あくまで行動中の雨をやり過ごすことに重点を置いた、現実的な防水透湿性能です」
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「軽い」という強みを最大限に生かすディテールワーク
では、この素材をどう着やすく、使いやすい防水シェルに落とし込んだのか? その答えはディテールワークにある。まずフロントには、フルレングスのジッパーが採用された。
「プルオーバーに比べれば重量はわずかに増しますが、着脱の速さや体温調節の自由度を優先した結果、フロントジップを選択しました。着脱スピードやベンチレーション機能、体温調整の自由度は、数グラムの軽量化よりも価値がありました」
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フードは使用しないときにコンパクトにまとめられるロールアウェイ・フードに。走行時や強風下でのバタつきを抑えつつ、着用時には頭部後方に設けられたベンチレーションホールから換気を行う。


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パターン設計では、肘のプレカーブに注目したい。肘の曲がり角度を基準にした設計によって、腕振り時の生地の突っ張りや引きつれが抑制される。

パッカブルにも細やかな配慮が行き届き、驚くほどのサイズ感を実現した。
「毎回待っていくことが前提なので、ランニングベストのポケットにも収まるサイズに設計しました」

モデル名の由来は、存在を感じさせない軽さ
ファントム ジャケットは、汗をすばやく逃がす高通気性のベースレイヤーの上に着用するのが基本だ。気温が下がった場合は、その上に薄手のミッドレイヤーを1枚足し、アウターとして羽織る。重ね着しても動きやすさを損なわず、気温や天候の変化にも柔軟に対応できる。本来はアクティビティ用のウエアだが、ミニマルなデザインや機能性から、日常で使うユーザーも少なくないという。

モデル名のPhantom(幻影)には、「存在を感じさせない軽さ」というコンセプトが込められている。着ていることを忘れるほど軽く、ザックに入れていても存在を主張しない。それでいて、必要な瞬間には確実に性能を発揮する。見えないが、機能はたしかにそこにある。
悪天候下でも、高強度の行動中でも、歩みを止めたくない。そんなユーザーにとって、ファントム ジャケットは全幅の信頼を置ける相棒となるだろう。
Text by Ryota Osujo







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