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フェス好きの理想系バッグがここに:「UNDERTHESUN(アンダーザサン)」のバックパック

2025.06.20
1890年に鞄の卸問屋として創業し、現在はOEMや自社プロダクトの製造など、メーカー事業も行っている水野鞄店。そんな同社が音楽フェスに特化したバッグブランド「UNDERTHESUN(アンダーザサン)」をローンチした。最初のモデルであるバックパックの「TOTHECORE」をはじめ、さまざまなフェススタイルに対応するプロダクトをラインナップしている。
老舗バッグメーカーである水野鞄店はなぜ、“フェス”に焦点を当てたのか。「UNDERTHESUN」を担当する伊藤翔太さんに話を聞いた。

コロナ禍で失われた「音楽で繋がる」感覚を取り戻したい

「UNDERTHESUN」のコンセプトは“繋がりを繋ぐ”。コロナ禍で音楽フェスの開催が立て続けに中止となっていた2021年、「コロナ後は再び太陽のもとでフェスを楽しみ、音楽を通じて人と繋がっていく感覚を取り戻したい」という伊藤さんの想いから、ブランドの構想がスタートした。
「フェスや音楽は僕自身が昔から親しんできたカルチャーだったので、『自分も何か貢献したい』と考えたのがブランド設立のきっかけでした。ブランド名は、本来3つの単語を空白を入れずに1つの単語のように見せることで、“繋ぐ”というコンセプトを表現しています」
2022年にはクラウドファンディング・プラットフォームの「Makuake」で第1弾のプロダクトとなる「TOTHECORE」を発表し、目標金額に対して1,453%の達成率を記録した。

フェスを楽しむための細やかな工夫が施された「TOTHECORE」

「『TOTHECORE』は都市型フェス向けのバックパックとして、半年ほどかけて製作しました。『みんなが安心して音楽を楽しめるようにしたい』という想いと『自分自身が本当に音楽フェスで使いたい鞄を作る』という考えのもと、素材の選定や機能の設計を進めていきました」と伊藤さんは話す。
「UNDERTHESUN TOTHECORE "2P Flap Backpack" 50122-00」24,200円(税込)
コロナ禍だった発売当初は、「抗菌」などのキーワードに注目が集まっていたこともあり、生地には「光触媒」と呼ばれる、太陽光でウイルスを不活性化するナイロン素材を採用した。しかし現在は、フェスで雨が降った際にも対応できるよう、ユーザーから要望が多かった撥水性のあるナイロン生地に変更しているという。
メインポケットは30リットルと、1泊2日分程度の荷物が容易に入る安心の容量。そして底面には巾着状の収納スペースがある。メインコンパートメントに繋がっているものの、底面からのみアクセス可能な2層構造になっているので、雨・泥などで汚れたタオルや衣類を分けて収納できる設計となっている。
細かな気配りがうかがえるが、特にこだわったのはどこなのだろうか。
「特に外部ポケットの仕分けの多さや仕様にはこだわっています。たとえば、僕はライブ中、バックパックを前掛けしながら観ることが多いので、一番アクセスしやすいフラップのポケットには、人が密集した状況でも開けやすいダブルファスナーを用い、ガバッと開くガジェットポーチ仕様になっています」
「また、メインコンパートメントにアクセスするための側面のファスナーは、背負いながら片手でも開閉しやすい角度に調整しています」
保冷・保温ができるサイドポケットもポイントだ。
「僕にとって、太陽の下で音楽を聴く際にお酒は欠かせない存在だったので、保冷機能のあるポケットは当初から構想していました。350ml缶が縦に2本入り、保冷材用のメッシュポケットも上下に配置しています。
円柱のポケットを作るのは技術的に難しい点でしたが、工場と細かい調整を行い、仕様を詰めていきました」と伊藤さんは振り返る。
さらに、荷重を軽減する工夫も盛り込まれている。
「当社は長年にわたりランドセルの製作を行っています。その技術を活用し、厚みとクッション性があるメッシュパッドを背面の両肩と腰部分に配置しました。これにより、背中を優しく押し出すことで正しい姿勢をキープできるので、肩や腰の負担が軽減されるんです。
さらに、背面中央部に空間ができるので、通気性も確保できます。肩部分にはチェストベルトを搭載し、アクティブに動いてもバックパックがブレることなく背負いやすくなります」

アウトドア型フェス向けに開発された「THESUN_FF」シリーズ

「TOTHECORE」に続いて、天候に左右されやすいアウトドア型フェスを意識した新シリーズ「THESUN_FF」もリリースされた。「ROOTS BR」は同シリーズのプロダクトのひとつだ。
「UNDERTHESUN ROOTS BR "Rucksack" 50117-00」22,000円(税込)
「アウトドア型フェスの代表格であるフジロックを意識して開発しました。ただ当時、僕はフジロックに行ったことがなかったので、『自分で作ったバッグで初めてフジロックに行く』と想定して、現役のフジロッカーの方々の声を反映しながら製作を進めていきました」と伊藤さん。
ユーザーアンケートでも圧倒的に多かったリクエストが「耐水性」だ。そこで、過酷な環境下でも浸水を防ぐことができる、耐水圧30,000ミリの防水性に、撥水性も加えた生地をバッグ本体と付属のレインカバーに採用。
また、肩ベルトにはクレジットカードやイヤホンなどが入るファスナーポケットと、ペットボトルやスマートフォンを収納できる巾着ポケットをそれぞれ配置している。
他にもライトなキャンプにも対応できるよう、レジャーシートや折りたたみ椅子などが装着できるギアループを配置したり、フロント部には大型のメッシュポケットやバンジーコードを搭載したりすることで、収納物がズレにくくなるような工夫もなされている。
「THESUN_FF」シリーズでは、サコッシュタイプの「INTHEAIR」やバッグインバッグ兼ショルダーポーチの「ROLLWITHIT」といったサブバッグも開発されている。
「特に『INTHEAIR』は人気商品で、マチを薄くしてミニマルな見た目にしつつも、ペットボトルなども入る収納性を確保しています。また、フェスのリストバンドなどを肩ベルト部分のDカンやフロントのギアループに付けることができるカスタマイズ性が好評です」と伊藤さん。
サコッシュタイプのアイテムも人気。「UNDERTHESUN INTHEAIR "Sacoche" 50118-00」5,500円(税込)

音楽フェスにここまで執着しているバッグブランドはない

音楽フェスそのものも、またそれに参加する人も多様化するなかで、「UNDERTHESUN」の今後について伺った。
「プロダクトに関しては、僕がフェスシーズンを過ごすなかで感じた課題やお客様の声などを反映しながら今後も製作を続けていくつもりです。たとえば今年は、『大きめのボディバッグが欲しい』といった声があるので、どういった理由でニーズがあるのか、『UNDERTHESUN』だったらどのようなバッグが作れるのかを検討予定です。
いずれにしても、音楽フェスにここまで執着しているバッグブランドはないと思っているので、引き続きこだわっていきたいと思っていますし、フェスへの出展などを通じて、音楽好きな人、フェスやライブに行く人が増えていくような発信をしていきたいです。『UNDERTHESUN』をきっかけに、多くの人が“最高”の音楽体験をしていただけるとうれしいですね」
フェス愛好家でもある伊藤さん自身の知見と、ユーザーとのコミュニケーションをベースに開発されている「UNDERTHESUN」のプロダクトは、今後もフェスのあり方の変化に合わせて進化を続けていくのだろう。

PROFILE

伊藤 翔太(いとう しょうた)

三重県在住、一児の父。
娘と二人でピザを食べに行くのが最近の日課。
好きなバンドはDIR EN GREY、好きなフェスは「森、道、市場」。理由は家族3人で楽しめるから。

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